和歌山県にある動物のテーマパーク、「アドベンチャーワールド」。立地の良さや利便性で劣りつつも、世界最大の旅行口コミサイトで「日本一の動物園」に選ばれるなど、国際的に高い評価を受けています。しかし開園当初からずっと順風満帆だったわけではありません。なぜ高評価を得るまでに至ったのでしょうか? 理由の一つとして、同施設の運営会社アワーズの社長は「社員がいきいきと働いていること」を挙げています。その素地となったのは「理念経営」の導入でした。日本一となった背景を大公開。※本連載は、山本雅史氏の著書『笑顔あふれるテーマパークの秘密』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

モチベーションを生む問い…「何のために働くのか?」

どんな仕事でも、なかなかいきいきと働けるわけではないはずです。なのに今、アドベンチャーワールドの社員たちがなぜここまでいきいきと働くことができているのでしょう? それはいったいなぜなのか?

 

ここで大事になってくるのが、「企業理念」を共有することです。あなたが働くうえで、自分の所属する会社の企業理念を知り、社員間で共有することはとても重要です。「共有する」というのは、そのことについて、あなた自身も深く深く考えることです。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

企業理念とは、一般的に「会社が何のために存在しているのか?」といった企業の存在意義や目指すべき方向性を示したものといわれています。

 

「アワーズは何のために存在していて、何をして企業としてあり続けるのか?」。この問いに対する答えを企業と社員が共有したとき、目の前の仕事は単なる「仕事」から「使命(ミッション)」へと変わっていくのです。

「いきいきと働く社員たち」の根底にある共通認識

アワーズの企業理念には「3つのこころ」という言葉があります。

 

●思いやりのこころ――何事にも感謝の気持ちを持つ。他人の幸せを自分の幸せとする。

●素直なこころ――――感受性が高く、感動を素直に表現する。人の意見を謙虚に受け入れる。

●前向きなこころ―――ユーモアを持ち、明るく人に良い影響を与える。向上心を持ち、成長し続ける。

 

これらは別の言い方をすれば「私たちの持つ強み」であり、私たちが何かを創り出す行動を生み出す源と考えることができます。

 

自分たちの「こころ」によって、何を世の中にもたらすのか。何を創造して提供するのかといったことを視野に入れておかなければなりません。

 

そしてさらに大事なのは、すべての行動がその行動によって起こる結果(ゴール)=笑顔(Smile)であること。そこまでを考える必要があるのです。

 

私たちはSmileを「しあわせ」と位置づけています。このSmileについても「社員のSmile」「ゲストのSmile」「社会のSmile」と3つ設定しています。

 

社員が感じる幸せのために私たちは3つのこころに沿って行動し、ゲストの幸せにつながることは何かを考えて行動する。そして社会をより良くするためには何が必要かを考えて行動するのです。

 

会社はこの企業理念を遂行するために存在している。そこで働く社員たちは、その思いを共通認識しているのです。

 

だからアワーズで働く社員たちは、それぞれの目の前の仕事に対していきいきと取り組むことができるのです。

 

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★だれもがキラボシ★ 〜笑顔あふれるテーマパークの秘密〜

★だれもがキラボシ★ 〜笑顔あふれるテーマパークの秘密〜

山本 雅史

幻冬舎メディアコンサルティング

日本の動物園ランキング2018で第1位を獲得。和歌山県のテーマパーク「アドベンチャーワールド」が選ばれたワケとは? アドベンチャーワールドは動物園、水族館、遊園地を併せ持つ、全国でも類を見ないテーマパークで、累計…

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