「自分の理念」を持つと「後悔しない選択」ができる
「社員一人ひとりが自ら考えて行動できるマネジメント」を実際に現場に落とし込んでいくにはどうすればいいのでしょうか? 前回の記事『地方の動物園が日本一に…社長を変えた「スタバ元CEO」の言葉』(関連記事参照)では、手探り状態で経営改善を試みていた筆者が「理念経営」に目をとめ、自身の理念が定まるまでのエピソードを紹介しました。
理念(判断軸)が明確になると、行動すべてが芯の通ったものになります。なぜなら物事の優先順位がはっきりとするからです。例えば二つの選択肢が目の前にあったとき、自身の理念(判断軸)がないと「常識」や「前例」、「流行り」や「正解・間違い」などという、自分の中にないものでしか選択することができません。
逆に理念(判断軸)が明確であればあるほど、他者や環境といったものではなく、自分を信じて決断することができるようになります。つまり結果はどうであれ、後悔しない選択ができる。そしてブレにくくなる、ということです。
「ブレずに素早く行動できる人」は成長するのも早い
就職活動を例に考えてみましょう。A社は有名企業で給与も高い、一方のB社は一般的な知名度はないものの自分の能力を活かせる環境であるとします。この両社から内定をもらった場合、あなたはどうするでしょうか?
有名企業に入れば周りからすごいと言われますし、承認欲求も満たされます。大きな仕事もできるでしょうし、給与が高いと生活面でも安心です。これらがあなたのモチベーションになるのならA社を選ぶべきです。
一方のB社に入れば、自分の能力が活かせるので仕事は楽しくなりますし、多少の苦労も成長のチャンスととらえて乗り越えることができます。やりがいも大きく、成長スピードも早いでしょう。これらがモチベーションになるのなら、あなたはB社を選ぶのがベストと言えます。
これは、どちらが正解でどちらが間違っているという話ではありません。理念がないと迷いが生じ、それは得てして後悔につながりやすいということです。「とりあえずは有名企業かな。でも自分の能力も活かしたい…」というどっちつかずのスタンスでは、どちらを選んでもなんらかの悔いが残ってしまいます。
理念を持つと、すべての行動が芯の通ったものとなり、優先順位が明確になると言いましたが、これは行動がスピーディーになることも意味します。何しろ迷いが少なくなるからです。
その意味でも、理念を持つ人はブレずにすばやく行動ができるということになります。そしてそのぶん成長も早まります。
「どうすればいいのか分からない」「なんとかしなければならない」と迷い焦っている人は、時間を見つけて、一度じっくり自身の理念を考える機会を持つことをお勧めします。
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