「住宅ローンがゼロになった」喜びも束の間…父の死後、悲劇

「相続争いなんてテレビの中の話、うちには関係ない……」と思っている人こそ、実は多大な「争族」リスクを抱えています。そこで本記事では、書籍『ドロ沼相続の出口』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、一般家庭で起こりうる相続争いについて解説します。

「ノーガード状態」の家族の恐ろしい末路

どんなトラブルでも事前に十分な対策をとってさえいれば、防ぐことは決して不可能ではありません。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

「争族」についても、有効な予防策がいくつか存在します。とはいえ、相続対策は、事柄の性質上、相続を受ける立場の者が主導的に行ったり、あるいは被相続人となる者にあからさまに促すことは難しいものです。

 

たとえば、高齢の親に向かって、「親父も年だから、そろそろお迎えがきたあとのことも考えてくれないと」などとは(たとえ思っていても)実際には、言いにくいはずです。

 

したがって、争族防止に向けた取り組みは、被相続人となる者から自発的に始めることが求められると言えるのですが、そもそも、相続争いという事態が起こりうることへの認識を欠いている人も少なくありません。

 

たとえば、「相続争い? わが家には、資産らしい資産などないのだから無関係な話だ」と思い込んでいるようなタイプの人は、相続対策の必要性など、はなから感じていないはずです。

 

しかし、このような無警戒な状態で相続を迎えることは非常に危険です。たとえ、わずかな額であっても、財産がある以上は、高い可能性で相続争いが起こると思っていたほうがよいでしょう。

 

相続人の置かれている立場は様々です。中には、100万円、いや数十万円の金銭であっても、もらえるのであればもらいたいという人がいるかもしれません。そのような者が相続人の中に一人だけではなく、複数人いれば、少しでも自分の取り分を増やそうと互いに譲らず、なけなしの相続財産を巡って、執着心をあらわに争う事態にならないとは限りません。

 

あるいは、「資産がこれだけしかないのはおかしい。本当はもっとあったのに他の相続人にこっそり渡したのではないか」と邪推する者も現れるかもしれません。

 

そのような疑念が発火点となって、「親父からもらっているだろう。隠してもわかるんだぞ!」「もらってなどいない!」などといういざこざが相続人の間に生まれることもあるでしょう。

 

逆に、資産持ちの家であれば、被相続人となる者が、死後の「争族」をおそれて、十分な相続対策を行うことが多いかもしれません。その結果、相続を巡る争いを防ぐこともできる、あるいは発生したとしても、ドロ沼化することは免れることができるかもしれません。

 

しかし、資産の少ない家では、相続人たちが無防備のままに、いわば「ノーガード状態」で、争いの火種にさらされることになるのです。

南青山 M’s 法律会計事務所 代表社員
一般社団法人社長の終活研究会 代表理事 弁護士
公認会計士

弁護士・公認会計士。南青山M’s法律会計事務所代表。芦屋大学経営教育学部客員教授。
1973年愛媛県生まれ。1995年一橋大学経済学部卒業。2006年成蹊大学にて法務博士号取得。1995年監査法人トーマツ(現有限責任監査法人トーマツ)入社、上場企業の監査、M&A等に携わる。その後、会計事務所、法律事務所勤務等を経て2009年に南青山M’s法律会計事務所を設立。個人、企業にとって身近な法律問題はもちろん、税務問題、会計問題、それらが絡み合う複雑な問題についても、冷静に問題を分析し、依頼者にとって最も利益となる問題の解決方法を提案、実践している。著書に『ドロ沼相続の出口』『老後の財産は「任意後見」で守りなさい』(幻冬舎)、『今すぐ取りかかりたい 最高の終活』(青月社、共著)。

著者紹介

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ドロ沼相続の出口

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眞鍋 淳也

幻冬舎メディアコンサルティング

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