キャッシュフローを生む元は「ネット利回り」
利回りには、「表面利回り」と「ネット利回り」があります。表面利回りとは、年間の満室時のアパート賃貸料の合計を、物件価格で割ったものです。次の方程式が成り立ちます。
表面利回り(%)=年間家賃収入÷物件価格×100
これに対し、ネット利回りとは、年間家賃収入から日々のアパート経営にかかる経費(保険料や固定資産税、リフォーム代金等)を引いた数字(=純収入)を、物件価格で割ったものです。
ネット利回り(%)={年間家賃収入−経費(保険料、固定資産税、リフォーム代金等)}÷物件価格×100
いくら表面利回りが高くても、あまりに古い物件や固定資産税が高い物件では、結果的にネット利回りが低くなります。アパート事業を継続し、成功させるためには、キャッシュフローが何よりも大事です。そして、キャッシュフローを生む元はネット利回りの根拠となる純収入です。しかしこの業界では、ネット利回り表示はまず使われませんので、表面利回りで考えます。
キャッシュフローを生むには10%の表面利回りが必要
キャッシュフローを生むためには、10%の表面利回りが必要となります。アパート事業を行ううえでの一つの基準数値と考えて良いでしょう。ちなみに、大雑把な計算では、純収入の80%(築20年以上の古い物件に関しては70%)が純収入となります。
もちろん、立地や築年数、構造等の複合的な要素によって利回りは決まってきますので、ただ利回りが高ければ良いということは絶対にありません。しかし、満室時の表面利回りが低い物件は、そもそも満室という最高の状態でもキャッシュフローが出ないので、本連載で勧めるアパート事業には適していないことがわかります。