日本で定着しつつある、寄付文化
――日本では寄付文化は根付かない
長い間、そういわれてきました。
日本ファンドレイジング協会の発行する「寄付白書2017」によると、2016年の日本の個人寄付額は、推計7,756億円。一方で米国の2016年の個人寄付総額は約2,818億ドル、日本円換算すると約30兆円にもなります。アメリカの人口は3億2,000万人と、日本の2.7倍になりますので、規模の違いを鑑みても、日米に10倍以上の差があるといっていいでしょう。
この数字だけみると、確かに日本の寄付市場は欧米に比べて小さいといわざるをえません。しかし、12月に行われる「歳末助け合い運動」は年末の風物詩のように定着していますし、「赤い羽根」「緑の羽」「青の羽」と募金に代わって羽をもらう「共同募金」も、日本人に根付いているといえるでしょう。
また日本の個人寄付推計総額は2010年の4,874億円から、2016年には7,756億円大きく成長しています。そのきっかけになったのが、東日本大震災。未曽有の天災を前に、2011年の個人寄付推計総額は1兆182億円にものぼりました。
2012年にはその反動で大きく減らしたものの、確実に寄付文化は定着をみせ、以来寄付額は上昇の一途を辿っています。
欧米に比べると、まだまだ規模は小さいですが、その分、伸びしろがあるということ。高齢化や少子化、格差の拡大、医療福祉……日本には社会問題が山積しています。そして今年に入ってからのコロナ禍によって、困窮している人たちがあふれています。それらすべてを税金で賄うのは、日本の深刻な財政事情から考えると、とても無理なことのように思えるでしょう。そこで注目さえるのが、社会問題を解決へと導こうとする民間サービスの担い手が、民間非営利団体(NPO)。そしてその仕組みを支えている、最も重要な財源が寄付なのです。
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