さらに寄付には地域差があります。厚生労働省による「家計調査」(2019年)から、県庁所在地ごとに1年間の寄付金額をみていきましょう。
47県庁所在地で最も寄付額が高かったのが「岡山県岡山市」。年間1万8,081円を寄付しています。続いて「神奈川県横浜市」で年間1万5,505円を寄付。「愛知県名古屋市」1万4900円、「大阪府大阪市」1万1,271円と、上位4市までが年間1万円を超える金額を寄付していました。
一方で最も寄付金額が小さかったのが「愛媛県松山市」で年間1,273円。「鳥取県鳥取市」1,598円、「沖縄県那覇市」1,824円、「群馬県前橋市」が1,994円、「富山県富山市」2,005円と続きます。
この結果から、岡山県で寄付文化が根付いているとはいうのは早計で、ちょうど調査対象年は、西日本を中心に甚大な被害が記録された「平成30年7月豪雨」が起きた年。岡山県では、農林水産関係の被害額が266億円を超えました。それにより、岡山県では寄付額が高まった考えられます。
また総務省による社会生活基本調査(2016年)で、ボランティア活動における行動者率(過去1年間にボランティア活動に参加した10歳以上の割合)をみると、最も行動者率が高いのが「滋賀県」で33.9%。「岐阜県」33.4%、「島根県」33.1%、「熊本県」32.7%、「佐賀県」32.6%と続きます。一方で最も行動者率が低かったのが「大阪府」で20.6%、「東京都」21.6%、「青森県」22.4%、「高知県」22.6%、「北海道」22.6%と続きます。
寄付とボランティア活動、お金による行動であれ、実際の行動であれ、根底にあるのは「他人のため」という想いです。地域差はあるものの、社会問題を解決しようとする人々の想いは、日本全体で確実に大きくなっているのではないでしょうか。
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