世間を大いに賑わせた米大統領選挙。「激戦州」という言葉も日本人に馴染み深くなりました。…とはいえ、具体的な州の名前を知らない人も多いのではないでしょうか。本記事では、国内外の不動産や海外進出のコンサルティング事業を手掛ける株式会社国際不動産エージェントの取締役・鈴木学氏がわかりやすく解説していきます。

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民主党の支持基盤だったが、2016年のトランプ勝利で

まず「ラストベルト5州」から解説します。英語でRust Belt、「錆びついた(Rust)、昔ながらの工業地帯」という意味です。

 

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有名な都市としては、ミシガン州のデトロイト、ペンシルバニア州のピッツバーグとフィラデルフィア、オハイオ州のクリーブランドやコロンバスがあります。歴史は古く、19世紀から20世紀前半にかけて、アメリカを支える工業都市として繁栄しましたが、20世紀後半から没落の時代に入り、今は再建途上。

 

雇用が不安定かつ、冬の寒さが厳しい地域ということもあり、人口はあまり増えず、最近20年間の有権者増加率は8.2%(年平均0.4%)に過ぎません。

 

ラストベルトは、2016年の選挙で共和党トランプ氏が民主党ヒラリー氏を破った選挙で、一気に注目されました。もともと工場労働者が多く、伝統的に民主党の支持基盤でしたが、最近はトランプ氏の主張に惹かれる「白人男性、高卒、労働者層」が増えたことで、にわかに激戦州化しています。

 

次に「サンベルト5州」を解説します。

次ページ一方のサンベルトは?有権者増加率がなんと…

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