海外で資産価値が上がるエリアって? 国内外の不動産や海外進出のコンサルティング事業を手掛ける株式会社国際不動産エージェントの取締役・鈴木学氏が、フランクにレクチャーしていきます。初回は「アメリカの資産価値」についてです。

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日本ではプラスでも欧米ではマイナスになる住宅要因

日本で資産価値の上がりやすい不動産って少ないですが、資産価値が保ちやすいものは結構ありますよね。

 

大都市圏なら、「都心からの時間距離」「駅近」「人気学区」「商業施設目の前」などが重要なファクターでしょうか。東アジアや東南アジアは、だいたい日本と似ています。

 

ところが欧米圏に行くと、住宅の価値観がまったく違います。「都心」「人気学区」はともかく、「駅近」「商業施設そば」は必ずしもプラスになりません。特に治安が重視されるアメリカでは、「商業施設近く」は通常、住宅地としては明らかなマイナス要因になります。

 

また日本にない特色として、多民族・多人種社会のアメリカでは、「人種」が地域住民の社会階層を推し量る指標になったりもします。これは超センシティブな話題で、アメリカ国内の公の場で語ることはできませんが、本音では多くの人が認める事実なのです。

 

・白人の女性が、愛犬や子供を連れて散歩するか、ジョギングしてるエリアは、不動産価値が上がる

 

というのが定説。アメリカで女性が外を散歩・ジョギングできること自体が、治安の良さ、”Walkable Score”の高さを意味するからです。

富裕層が好むお店があるかどうかが1つの指標に

あとは、「高収入・高属性の人々が好むお店が多いエリアかどうか?」も、不動産価値を考える上で大きなファクターになります。特に好まれるのは、

 

・オーガニックスーパー「ホールフーズ」(Whole Foods
・寿司レストラン

 

でしょうか。実際、アメリカ各都市でホールフーズと寿司レストランの出店エリアは重なることが多く、地域住民の収入が高いエリアとほぼ合致します。

 

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寿司レストランがあると…?
寿司レストランがあると…?

 

それに次ぐ存在が、

 

・スターバックス

 

でしょうね。アメリカのスタバは、高収入予備軍のヤングプロフェッショナルに人気があります。

 

アメリカの首都・ワシントンDCで、Google Mapに「ホールフーズ」 (図表1)、 「寿司レストラン」(図表2) 、 「スターバックス」(図表3) をプロットしてみると、見事に重なることがわかりますね。この範囲内は住民の所得・属性が高く、不動産価格が上がりやすい。そこは実際、「学区スコアが高いエリア」や「白人女性が犬連れて散歩できるエリア」とも合致することが多いです。

 

表1:ホールフーズ
[図表1]ホールフーズ

 

表2:寿司レストラン
[図表2]寿司レストラン

 

スターバックス
[図表3]スターバックス

 

逆に、近くにホールフーズはおろか、スターバックスの1つもないエリアは要注意。そういう微妙な場所にある店舗はたいてい、「リカーストア」(酒屋)とか「ウォルマート」、「1ドルショップ」(Dollar Tree)だったりします。問題を起こす入居者が多く、街も汚く、 不動産価値は上がりにくいです。

 

 

鈴木 学

株式会社国際不動産エージェント

 

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