実は認知症のタイプにより症状や経過が少しずつ異なり、経過も治療も予後も介護の仕方も違ってきます。正しい診断を受けているか判断するためにも、認知症についての知識を深めておく必要があります。今回は、医療法人翠清会・翠清会梶川病院、介護老人保健施設、地域包括支援センター会長の梶川博氏、医学博士である森惟明氏の共書『改訂版 認知症に負けないために知っておきたい、予防と治療法』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、認知症の検査方法について詳しく見ていきましょう。
井門式簡易認知機能スクリーニング検査:3分で検査可
3分間程度で検査できます。見当識、記銘、手指模倣、言語の流暢性、遅延再生の5項目の検査で、詳しくはウェブサイトで検索してください。12点満点、9点以下は軽度認知障害(MCI)の疑い、7点以下は認知症の疑いです。手指模倣を紹介いたします。
A.「私の真似をしてください」と言って、両手でキツネを作ってみせます。
B.次に、「次はこれです」とハトを作ってみせます。
A:キツネ(左右の手)。最初に作ったもので評価します。両手ともに正答=1点、片手のみ正答=0.5点、両手ともできない=0点。
B:ハト。自分の体の方に掌が向いているものを正解とします。迷わずできた=1点、試行錯誤しながらできた=0.5点、できない=0点。1点か0.5点か迷う場合は、1点としてください。
家族が作った「認知症」早期発見の目安
「認知症」早期発見の目安は、公益社団法人認知症の人と家族の会の作製したものです。日常の暮らしの中で、認知症ではないかと思われる言動について、「家族の会」の会員の経験をまとめたもので、ウェブサイトで検索してください。
認知症の電話相談:0120-294-456
土・日・祝日を除く毎日午前10:00~午後3:00
全国どこからでも無料(携帯、PHSは不可)
認知症の人や家族、支援者によって構成された公益社団法人認知症の人と家族の会において、認知症の人への接し方や介護、家族の悩みなどに関する電話相談、家族同士の情報交換を行うことができます。
注意:本書で紹介している治療法等は、著者が臨床例をもとに執筆しております。万一、本書の記載内容により不測の事故等が生じた場合、著者、出版社はその責を負いかねますことをご了承ください。 また、本書に記載している薬剤等の選択・使用にあたっては、医師、薬剤師等の指導に基づき、適応、用量等は常にご確認ください。
※本記事は連載『改訂版 認知症に負けないために知っておきたい、予防と治療法』を再構成したものです。
梶川 博
医療法人翠清会・翠清会梶川病院、介護老人保健施設、地域包括支援センター会長
森 惟明
医学博士
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医療法人翠清会・翠清会梶川病院、介護老人保健施設、地域包括支援センター会長
日本脳神経外科学会認定専門医
日本脳卒中学会認定専門医
日本神経学会・日本認知症学会会員
広島県難病指定医、
広島県「もの忘れ・認知症相談医(オレンジドクター)
日本医師会&広島県医師会
日本医療法人協会&全日本病院協会広島県支部所属。
広島県広島市出身 1957年修道高等学校卒業、1963年京都大学医学部卒。
1964 聖路加国際病院でインタ−ン修了、医師国家試験合格、アメリカ合衆国臨床医学留学のためのECFMG試験合格、1968年京都大学大学院修了(脳神経外科学)医学博士。
1970年広島大学第二外科・脳神経外科(助手)、1975年大阪医科大学第一外科・脳神経外科(講師、助教授)。
1976年ニューヨーク モンテフィオーレ病院神経病理学部門(平野朝雄教授)留学。1980年梶川脳神経外科病院(現医療法人翠清会・翠清会梶川病院、介護老人保健施設、地域包括支援センター)開設。医学博士。1985年槇殿賞(広島医学会会頭表彰)、1996年日本医師会最高優功賞。
著者プロフィール詳細
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連載認知症に負けないために 知っておきたい、予防と治療法
医学博士
大阪府立北野高校を経て、1961年京都大学医学部卒。大阪北野病院でインタ−ン修了。
1961年アメリカ合衆国臨床医学留学のためのECFMG試験合格。
1967年京都大学大学院修了(脳神経外科学)医学博士。1968年日本脳神経外科学会認定医。1969年京都大学脳神経外科助手。
1971年シカゴノースウエスタン大学脳神経外科レジデント。1975年京都大学脳神経外科講師。1979年京都大学脳神経外科助教授。1981年高知医科大学(現高知大学医学部)脳神経外科初代教授。
1992〜1999年厚生省特定疾患難治性水頭症調査研究班班長。1992年第2回高知出版学術賞受賞。
1996〜2000年高知県医師会理事。1999〜2001年国際小児神経外科学会倫理委員会委員長。
2000〜2001国際小児神経外科機関誌「Child's Nervous System」編集委員。2000年高知大学名誉教授。著書多数。
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