日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は、「いったい人はいくらお金をもっていれば満足できるのか」、意識調査から紐解いていきます。

 

次に、世帯金融資産残高と満足度の関係をみると、世帯金融資産残高100万円未満で3.64、100万~300万円未満で4.32、300万~500万円未満で4.67と、金融資産が増加するにつれて満足度が高まる傾向がみられます。しかしここでも満足度は際限なく上昇するわけではありません。世帯金融資産残高が「1~3億円」が6.88をピークに、それ以上の金融資産があっても満足度は低下する傾向がみられます。

 

出所:内閣府「満足度・生活の質に関する調査」第4次報告書より作成
[図表3]世帯金融資産残高と満足度の関係 出所:内閣府「満足度・生活の質に関する調査」第4次報告書より作成

 

このことから「お金の欲はどこかで頭打ち」というのが事実だといえそうです。実際、相続トラブルは、お金のある富裕層よりも、遺産の少ないほうが起こりやすいといわれています(富裕層であればしっかりと相続対策をしているケースが多いということもあるでしょうが)。

 

一方で「家計と資産の満足度」を世代別にみていくと、30歳代では世帯金融資産残高が1,000万~2,000万円で頭打ちになるのに対し、60歳代だと1000万~2,000万円未満で満足度5.22に対し、2,000万~5,000万円未満では満足度は5.85とさらに伸びる傾向にあります。

 

その理由は「年齢があがるにつれて、金融資産の重要性が増すから」とも「人間、年を取るにつれて欲深くなるから」とも推測できます。

 

唯一の事実は、「お金はいくらあっても困ることはない」ということでしょうか。

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧