2025年には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になります。30~50歳の子どもたちが直面する「親の介護」問題は、深刻化していく一方です。在宅介護、老人ホーム…選択肢はいくつか考えられますが、まずはプロとして介護に携わっている人の声を聞き、将来に備えましょう。本記事では、地域福祉の発展に貢献する、社会福祉法人洗心福祉会の理事長・山田俊郎氏が、介護業界の現状を解説します。

「介護=サービス業」対人関係の問題は山積み

人と人とのかかわりが大きい介護の現場だからこそ、トラブルが起こらないように、よい人間関係を構築することが非常に重要です。

 

 

◆利用者からの暴力、トラブルも悩みの種

 

介護の現場において、利用者とのトラブルは避けてとおれない部分があります。しかし、介護はあくまでも「サービス」です。たとえこちらに非がなく、利用者側に問題がある場合でも「お引き取りください」で片づけられないことがほとんどです。

 

利用者による暴言や暴力などの問題行動や理不尽なクレームがあっても、我慢して受け入れるほかなく、疲弊してしまう介護職員も多くいます。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

利用者の中には、認知症の周辺症状によって暴力的になる人もおり、「靴下をはいてもらおうとしたら殴られた」「車いすへの移乗の介助をしていたら噛みつかれた」「食事中、箸でつつかれた」などということがあります。

 

現状では認知症を完全に治す方法はありませんが、介護のしかたで周辺症状が軽減できることも分かっています。利用者の発言・行動を否定せずに受けとめ、利用者とコミュニケーションをとりながら介護することで、利用者の症状が落ちつくのです。入浴や排泄などの介護の際にはトラブルを軽減するため、2人1組で介護をすることが有効でしょう。

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山田 俊郎

幻冬舎メディアコンサルティング

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