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米大統領選挙:開票途中から世論調査とは異なる展開に
米国大統領、議会選挙が2020年11月3日に行われ、開票作業が始まりました。序盤の動向は、トランプ氏がケンタッキー、インディアナ両州で勝利、一方バイデン氏がバーモント州で勝利するなど事前予想通りの展開でした。
しかしながら、開票が進むにつれ、世論調査と違う州も見え始めています。一方で、コロナ感染懸念への対応と、関心の高さから期日前投票を済ませた有権者は1億人を超えたとも報道されています。一部開票作業に時間がかかることから、勝負の行方は今後の開票結果を見守る展開です。
どこに注目すべきか:米国大統領選挙、激戦州、世論調査、市場
米国大統領選挙の開票が進行中です。最終結果は判明の時点も含め不確実な要因が多くなっています。現段階では(日本時間4日午後1時)、選挙人獲得数でバイデン氏優勢ですが、激戦州の1つフロリダ州ではトランプ氏が世論調査と逆の状況となっているなど、最終結果は全くわからない状況です。過半数270人を獲得するのはどちらか、最後まで目が離せない展開です。
なお、同時に行われている議会選挙では予想通り下院は民主党が過半数を維持する見込みです。
今後の開票作業を見守る上で注目の州、並びに市場の反応(図表2参照)において注目点は次の通りです。
前回16年の大統領選挙では民主党のヒラリー・クリントン氏の232人に対し、トランプ氏は306人の選挙人を獲得しました。16年の選挙でトランプ氏が勝利したのは激戦州であるミシガン、フロリダ、オハイオ、ノースカロライナ、ペンシルバニアなどの州で勝利したからです。今回の選挙でも勝敗の行方は激戦州の動向次第という展開です。
今回、選挙予想を早く提供しているFOXニュースを参考にすると、勝敗が定まらない州の中で、ミシガン、ジョージア、ウィスコン、ノースカロライナ、ペンシルバニア、の各州ではトランプ氏が優位に選挙を進めています。選挙戦最後に集中的に訪れるなど必死の姿勢が、直前の世論調査と異なる結果を示しはじめた模様です。
もっとも、今回の選挙では期日前投票が過去最高となり、バイデン支持が多いといわれる郵便投票の中には、まだ開票作業が進んでいないケースもあります。メディアの「勝利」は鵜呑みに出来ないケースも考えられます。勝者の判断にはもう少し時間が必要と思われます。
市場では、開票直前までは民主党の勝利を織り込む様相で、財政政策拡大を見込んで国債利回りの上昇(価格は下落)、主要通貨の加重平均で算出したドル指数はドル安傾向が見られました。しかし開票が進みトランプ氏が世論調査と異なり健闘もしくは優勢となったことでドル高や国債利回りの低下が見られました。なお、人民元は足元まで上昇傾向でしたが、開票後はやや人民元安に転じました。米国株式市場(夜間先物取引)はトランプ氏優勢の動きに当初下落しました。これは接戦の場合結果判明が長引くことを嫌ってと思われますが、その後は落ち着きを取り戻し、結果を待つ展開となりました。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『米国大統領選挙、世論調査と異なり、開票を待つ展開』を参照)。
(2020年11月4日)
梅澤 利文
ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部投資戦略部 ストラテジスト
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