欧州コロナ感染再拡大でロックダウン表明も

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欧州では夏のバカンスシーズンに、感染がおさまっていたこともあり、移動規制を緩和してきましたが、9月頃からコロナの感染が再拡大し、フランス、スペインなどから最近ではドイツにまで感染の再拡大が拡がっています。また今回はチェコ、ポーランド、ハンガリー、ルーマニアなど東欧での感染再拡大も深刻です。各国は経済活動制限の導入を表明しています。

欧州感染再拡大懸念:コロナの感染拡大を受け、経済活動の制限が表明された

欧州で新型コロナウイルスの感染再拡大懸念が高まっています。フランスでは2020年10月25日に1日あたりの新規感染者が約5万2000人に達したと報道されています。比較的感染が抑えられていたドイツでも足元、新規感染者数は最新で2万人を超える深刻な状況となっています。

 

欧州ではスペイン、イタリアなどでもコロナ感染者が増え、加えてチェコなど東欧でも深刻な状況となっています。欧州では経済活動の制限を再導入する地域が増えつつあり、経済への影響も懸念されます(図表1、2参照)。

 

期間:2020年2月16日~2020年10月28日、前年比、公共移動手段は1月比 ※公共移動手段(右軸)各国の公共交通の利用を指数化、20年1月と比較 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
[図表1]欧州の主な国の公共移動手段やレストラン予約の推移 期間:2020年2月16日~2020年10月28日、前年比、公共移動手段は1月比
※公共移動手段(右軸)各国の公共交通の利用を指数化、20年1月と比較
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

どこに注目すべきか:移動規制、ロックダウン、再感染、経済コスト

欧州では夏のバカンスシーズンに、感染がおさまっていたことから、移動規制を緩和してきましたが、9月頃からコロナの感染が再拡大し、フランス、スペインなどから最近ではドイツにまで感染再拡大が拡がっています。今回はチェコ、ポーランド、ハンガリー、ルーマニアなど東欧での感染再拡大も深刻です。各国は経済活動制限の導入を表明しています。

 

フランスでは10月30日から開始すると報道されています。ドイツでも11月2日から全国的なロックダウンが施行される予定です(図表2参照)。ユーロ圏2大国のロックダウンで、欧州でのコロナ感染再拡大懸念が再認識され市場にも影響を与えたように見受けられます。

 

出所:各種報道等を参考にピクテ投信投資顧問作成
[図表2]欧州の主な国で導入が表明された経済活動制限 出所:各種報道等を参考にピクテ投信投資顧問作成

 

今回の欧州の感染再拡大では次の点に注目しています。

 

まず、新規感染者数以外に、入院患者数など医療の逼迫状況や死者数などを考慮して全国的なロックダウンに至ったと見られます。新規感染者数は既に春先のピークを大幅に上回っていますが、全国的なロックダウンは、医療体制などの逼迫で導入を迫られた格好となりました。

 

なお、欧州の他の国でコロナ感染再拡大が早期に深刻化したアイルランド(図表1、2参照)やチェコなど東欧の国は早期にロックダウンを導入しました。

 

また、経済活動の制限も、当初は地域を絞った制限でした。例えばフランスでは10月月初はパリなどに限定した経済活動の制限でした。特定地域のみの制限は、有効であっても、感染拡大を防げない場合もあることは教訓と思われます。

 

一方で、全国的なロックダウンの経済的コストが高いことも経験してきたわけで、今回の欧州のロックダウンを見ても、期間を定めたり、見直し期間を置くなど柔軟性を持たせている点に注目しています。また学校活動を維持すること、対面などを除けば業務継続への配慮も見られ、前回からの教訓から、経済コストとのバランスを反映しているように見受けられます。

 

なお、イタリアは政令改正で迅速な対応を可能にしたことが若干拡大を抑制した可能性もあります。欧州のコロナ感染再拡大とその対応には、今後の教訓もありそうです。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『欧州コロナ感染再拡大でロックダウン表明も』を参照)。

 

(2020年10月29日)

 

梅澤 利文

ピクテ投信投資顧問株式会社

運用・商品本部投資戦略部 ストラテジスト

 

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日系証券会社のシステム開発部門を経て、外資系運用会社で債券運用、仕組債の組み入れと評価、オルタナティブ投資等を担当。運用経験通算15年超。ピクテでは、ストラテジストとして高度な分析と海外投資部門との連携による投資戦略情報に基づき、マクロ経済、金融市場を中心とした幅広い分野で情報提供を行っている。経済レポート「今日のヘッドライン」を執筆、日々配信中。CFA協会認定証券アナリスト、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)

著者紹介

ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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