日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は、「月収100万円を超える高給取りの支出」に焦点をあてていきます。

収入が増えるに従い、「旅」や「車」に興味津々

■消費の傾向

「高収入であれば支出も増える」というのは想像できますが、実際にそうなのでしょうか。「消費支出」は月収20万~25万円未満で26万3321円、収入が上がるにつ入れて支出は増えていき、月収110万円以上で63万7785円と右肩上がりに推移していきます(図表7)。

 

出所:総務省「家計調査」(2019)より作成
[図表7]月収別「消費支出」の推移 出所:総務省「家計調査」(2019)より作成

 

では高収入の人々は、何にお金を使っているのでしょうか。

 

まず食費。月収20万~25万円未満で6万7258円に対して、月収110万円以上では12万3371円と約2倍。世帯構成はどの月収区分でも3.0~3.5人なので、単純に高収入の人々は「良いものと食べている」といえます。一方で収入に対する食費の割合である「エンゲル係数」をみていくと右肩下がり。収入が上がるにつれて食費以外にお金を使う」という傾向が如実にあらわれています(図表8)(図表9)

 

出所:総務省「家計調査」(2019)より作成
[図表8]月収別「食費」の推移 出所:総務省「家計調査」(2019)より作成

 

出所:総務省「家計調査」(2019)より作成
[図表9]月収別「エンゲル係数」の推移 出所:総務省「家計調査」(2019)より作成

 

特に収入が上がるにつれて金額も大きくなるものをみていきます。

 

「外食費」:月収20万~25万円未満で1万2025円。その後、月収が上がるつれて緩やかに上昇。月収90万~100万円未満で2万4770円が、月収100万円を超えると一気に8千円近く上昇し、3万2435円に(図表10)

 

出所:総務省「家計調査」(2019)より作成
[図表10]月収別「外食費」の推移 出所:総務省「家計調査」(2019)より作成

 

「交際費」:月収30万~35万円の1万4469円をボトムに徐々に上昇。月収80万~90万円未満で一気に7000円近くも上昇し、3万3246円に(図表11)

 

出所:総務省「家計調査」(2019)より作成
[図表11]月収別「交際費」の推移 出所:総務省「家計調査」(2019)より作成

 

「教育娯楽関係費」:旅行に伴う宿泊料等含む。月収20万~25万未満で2万3816円から徐々に上昇。月収100万~110万円で9万1284円と、1ヵ月に10万円近いお金を使っています(図表12)

 

出所:総務省「家計調査」(2019)より作成
[図表12]月収別「教育娯楽関係費」の推移 出所:総務省「家計調査」(2019)より作成

 

「自動車等県経費」:月収20万~25万未満で2万2808円。月収80万~90万未満と月収90万~100万円未満で3万円近い上昇がみられます(図表13)

 

出所:総務省「家計調査」(2019)より作成
[図表13]月収別「自動車関連費」の推移 出所:総務省「家計調査」(2019)より作成

 

「洋服費」:月収20万~25万未満で4030円。月収100万~110万円未満1万2792円と、3倍近くの差が生まれています(図表14)

 

出所:総務省「家計調査」(2019)より作成
[図表14]月収別「洋服費」の推移 出所:総務省「家計調査」(2019)より作成

 

ラグジュアリーな雑誌をみたことがあるでしょうか。そこで取り上げらえているのは、女性向けであれば「旅」や「(ブランドの)服飾」、男性向けであれば「車」や「食」にまつわるものが多くみられます。消費傾向からも、高給取りの人々の趣味趣向を読み取ることができるでしょう。

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