高給取りは「持ち家派」か、それとも「賃貸派」か
大都市に住んでいれば、意外と近くにいそうな1,000万円プレイヤー。当然、地域に偏りがあるので、「そんなに稼いでいるやつ、近くにいないぞ!」という人も多いでしょう。
そんな会社員の憧れ、1,000万円プレイヤーはどのような暮らしをしているのでしょうか。総務省の「家計調査」(2019年)から、高給取りの暮らしを紐解いていきましょう。
家計調査では、10万円未満、10万~15万円未満……110万円以上と、世帯主の定期収入(手取り額)を18区分に分けて、1ヵ月間の収入と支出の傾向を示しています。給与所得1,000万円というと、同調査では定期収入「90万~100万円未満」「100万~110万円未満」「110万円以上」あたりを特に注目していきます。
■「平均年齢」と「専業主婦率」
まずそれぞれの定期収入区分別に「平均年齢」をみていきます。定期収入20万円未満の人たちの平均年齢が56~59歳ということから、再雇用、または定年退職後に再就職をした人も多いと考えられます。そこで以降は月収20万円~に焦点をあててみていきます(図表1)。
「世帯主の配偶者のうち女の有業率」つまり専業主婦の割合は、月収25~50万円で共働き世帯が最も多く、以降は収入が上がるに従い、専業主婦率も上昇する傾向にあります。「高収入の夫を支える妻」という画がみえてきます(図表3)。
■「持ち家」か「賃貸」か
「持ち家率」は月収20万~25未満で72.5%から、徐々に上昇。月収70万~75万未満で87.8%をピークに80%前半で推移し、「高収入でも賃貸派」が一定数いることがわかります(図表4)。
また「持ち家派」の平均畳数は、どの月収区分でも40畳前後で推移。持ち家の場合、「高収入=広い家」とはならい、意外な事情がみえてきました。一方で「賃貸派」の平均畳数は30万~35万円の23畳をボトムとして、収入が上がるにつ入れて広くなっていく傾向がみられます。賃貸派の場合、「収入が上がる→広い家に引越しをする」という流れがみえてきます(図表5)(図表6)。