「食の健康」…世帯所得が高くないと得られない
秋といえば「食欲の秋」「スポーツの秋」。食べ物は美味しく、運動するにも気候が良いので、何かと健康について考えることも多い季節ではないでしょうか。
厚生労働省が今年発表した「国民健康・栄養調査結果*(平成30年)」では、健康と所得との関係性について明らかにしています。そのなかでいくつか、興味深い結果をみていきましょう。
*健康増進法に基づき、国民の身体の状況、栄養素等摂取量、および生活習慣の状況を明らかにし、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基礎資料を得ること」を目的にした調査。
世帯の所得が600万円以上の世帯員に対して、200万円未満の男性世帯員で少ない。
■野菜摂取量
世帯の所得が600万円以上の世帯員に対して、200万円未満、200万~400万円未満の男性世帯員で少ない。
■果物摂取量
世帯の所得が600万円以上の世帯員に対して、200万円未満の女性世帯員で少ない。
■肉類、乳類の摂取量
世帯の所得が600万円以上の世帯員に対して、200万円未満の全世帯員で少ない。
■エネルギー摂取量
世帯の所得が600万円以上の世帯員に対して、200万円未満の全世帯員で少ない。
■食品選択の基準
「おいしさ」「栄養価」「季節感・旬」を重視する世帯所得600万円以上の世帯員に対し、特に200万円未満の全世帯員は重視することはない。
■食事の組み合わせ
主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上食べる頻度は、世帯の所得が600万円以上の世帯員は「ほとんど毎日」の回答が高いのに対し、200万円未満の全世帯員では「ほとんどない」の回答が高い。また「ほとんどない」の理由として「食費の余裕がない」の回答が多い。
■やせの者の割合
世帯の所得が600万円以上の世帯員に対して、200万~400万円未満の男性世帯員で高い。
お腹を満たすには、お金がかかる。栄養バランスを考えるのも、お金がかかる……食べ物から健康を考えるなら、まずは「お金が必要」という現実が明らかになっています。
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