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成長著しいASEAN、不動産投資しやすいのは…
豊富な若い労働力を武器に、近年著しい成長を続けるASEAN(東南アジア諸国連合)。国民所得が向上し、購買力も飛躍的に上昇する中、ASEANの経済規模は過去20年間で約6倍に拡大しています。
しかしそんなASEANにも、マーケット環境や規制面から日本人が不動産投資をしやすい国とそうではない国があります。例えば、シンガポールは東京以上に不動産価格が高いうえに印紙税も高額ですし、2018年にコンド法を改正して外国人に不動産投資の門戸を開いたミャンマーも、同法に基づいて認可された物件がいまだなく、合法的に投資するのが困難な状況にあります。
そこで今回は、日本人でも価格面・規制面から比較的投資がしやすく、実際に投資家人気も高いマレーシア、タイ、フィリピン、ベトナムの4ヵ国に絞り、経済や不動産市況を比較・解説していきたいと思います。
マレーシア、タイ…投資メリットは低下傾向?
ASEANの先発国であるマレーシアとタイは、日本人による不動産投資の歴史が比較的長く、いまも根強い人気があります。しかし、近年の経済環境や不動産市況を踏まえると、総体的には投資メリットは以前より大きく低下しているように思います。
●マレーシア
まずマレーシアですが、過去30年に渡って平均5%超の経済成長を続けてきたことから「東南アジアの優等生」と称されてきました。しかし、2018年にナジブ政権が巨額の債務隠しを行っていたことが発覚すると、財政赤字削減のためにインフラ計画が次々と中止・延期され経済が停滞。また、後を継いだマハティール氏が消費税を廃止したため、財政再建も思うように進まない悪循環に陥っています。
一方、不動産市場を見ると、積み上がった在庫の解消が課題となっています。マレーシアでは2015年に外国人が購入できる物件の最低価格が原則100万リンギ(約2,500万円)へと引き上げられ、投資が落ち込んだ一方、規制強化後もたくさんの新規供給が続いています。
その結果、デベロッパーが抱える在庫物件は、2018年末時点で過去最高の32,313戸に拡大。2019年に入ると政府もマイホーム購入支援策などを導入して解消に動きますが、同年末時点でも31,661戸と高水準にあります。この状況が改善しない限り、マレーシアの不動産価格には下方圧力がかかる可能性が高く、実際、2017年頃から首都クアラルンプールでは先行して価格が下落に転じ始めています。
●タイ
次にタイですが、ASEAN最大の工業国として過去20年間で平均4%の成長を実現している一方、すでに高齢化社会(65歳以上の人口が7%超)に突入していることが懸念材料となります。日本以上のスピードで高齢化が進行する中、2035年には新興国として初めて超高齢社会(同21%超)に突入する見通しで、今後日本と同様に経済の停滞感が強まることが予想されています。
また、中国マネーがけん引し、堅調な価格上昇を続けてきたタイの不動産市場ですが、その中国依存の高さは諸刃の剣でもあり、人民元安・バーツ高が進んだ2019年には中国人による投資が半減し、バンコク首都圏におけるコンド成約率は46%と過去5年で最低を記録しています。投機的な住宅購入を抑制するため、住宅ローン規制が厳格化されたことも市況を冷やす中、在庫の適正化に最低2年はかかる見通しで、各デベロッパーは計画の中止や見直しを迫られている状況にあります。
マレーシアとタイはASEANの中では生活環境が良好なため、別荘や移住など自己利用を目的とした購入はアリだと思いますが、投資という観点では現在の状況が改善しない限り、積極的にはおすすめしにくいところです。
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