日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は、10日10日、「世界メンタルヘルスデー」にちなみ、都道府県別に「心の健康」についてみていきます。

 

2002年と2017年を比較した際、増加率が最も高いのは24歳以下で、この15年間で2.02倍。続くのが75歳以上で1.85倍、45~54歳で1.84倍となっています。

 

精神障害者の総数では少ないですが、増加率では若年層が突出しています。この15年間、就職難がいわれていた時期もありましたし、情報デバイスの発達によって変わったコミュニケーションは、新たなストレスの火種になっています。若年層が直面する様々な社会問題が、増加に表れているのではないでしょうか。

精神疾患患者数の最多は「東京」、割合でみてみると…

メンタルヘルスを年齢や時系列でみてきましたが、地域によってはどうでしょうか。厚生労働省による「患者調査」から紐解いていきます。

 

*患者調査は、全国から抽出された医療機関で、特定の1日に受診した患者について調べたもの。総患者数はその特定の1日に対しての数値であり、1年間に渡り、その病気にかかっていたわけではありません。

 

最新の患者調査(2017年)によると、「精神及び行動の障害」の人は15万2800人で、都道府県別で最も精神疾患が少ないのは「徳島県」400人。続いて同率2位で「富山」「山梨」「鳥取」「佐賀」が500人で続きます。

 

出所:厚生労働省「患者調査」(平成29年)より作成
[図表1]精神疾患患者数 出所:厚生労働省「患者調査」(平成29年)より作成

 

一方で、最も精神疾患患者が多いのは「東京都」で1万5,300人。続いて「神奈川県」1万4,900人、「福岡県」1万1,700人、「千葉県」1万1,3000人、「大阪府」8,500人と続きます。数としては、単純に人口が多く、大都市がある地域で多くなっています。

 

次に、総患者数に占める精神疾患患者の割合でみていきましょう。全患者に占める精神疾患患者が占める割合は2.12%。そのなかで、最も精神疾患患者の少ないのが、同率トップで「熊本県」と「鹿児島県」で0.6%。続いて「栃木県」0.62%、「群馬県」0.76%、「佐賀県」0.85%と続きます。

 

出所:厚生労働省「患者調査」(平成29年)より作成
[図表2]全患者に対し精神疾患患者の占める割合 出所:厚生労働省「患者調査」(平成29年)より作成

 

一方で割合が最も多いのが「京都府」で4.07%。続くのが「新潟県」で3.61%、「福岡県」「千葉県」3.52%。「京都府」が突出しているという印象です。

 

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