日本語には、「損する言葉」と「得する言葉」の2種類がある。前者は幼稚で相手の配慮が不足しているイメージ、後者が知性や教養が溢れるイメージだ。「得する言葉」を使うことで、コミュニケーションが円滑になり、仕事や人生にも好影響と著者は語る。言葉遣いを変えるだけで好印象を与える「語彙」の数々を徹底解説。本連載は安田正著『超一流 できる大人の語彙力』(プレジデント社)から一部を抜粋した原稿です。

 

(4)【詮無い話】

意味:何かの問題に、手を打っても仕方がない状態

 

 三年前のことを言っても、それは詮無い話だ。

× 三年前のことを言っても、どうしようもない話だ。

どうしようもないというニュアンスが伝わるかどうか

◯の「詮無い話」は、起こった問題などに対して、何か手を打っても打開策がない、報われることなく無駄である、という意味です。単に打つ手がないということではなく、「対処してみても、どうしようもない」という、投げやりなニュアンスを伴います。「手詰まりになっている」ことを伝えたい時に、×の例ではなく、この表現を使うとよいでしょう。

 

 

(5)【機先を制する】

意味:相手より先に行動して、その計画・気勢をそぐ

 

 次の会議では機先を制しないとなかなか難しいね。

× 次の会議では一気に頑張らないとなかなか難しいね。

先を見越して取り組む姿勢があるかどうか

◯の例は、先手必勝、先手を打って相手をコントロールしてしまうという明確な意味があります。仕事でライバルよりも上の結果を目指す時などに、競争を有利にするために、相手より先に行動する時に使います。一方×の例は、何をするのか明確にするのかわかりません。

 

 

(6)【窮余の一策】
意味:苦し紛れに思いついた策

 

 あの時は、窮余の一策として決議しました。

× あの時は、わけもわからず決めてしまいました。

ベストではない策であると自覚しているかどうか

◯の例は、苦し紛れの最後の策、最善でない策という自覚があることが伝わります。追いつめられて困ったあげく、苦しまぎれに思いついたニュアンスが含まれています。×の例は、自分が「苦し紛れ」であることさえ自覚がないかもしれません。

 

 

安田 正

株式会社パンネーションズ・コンサルティング・グループ代表取締役

早稲田大学グローバルエデュケーションセンター客員教授

超一流 できる大人の語彙力

超一流 できる大人の語彙力

安田 正

プレジデント社

“損する言葉"と“得する言葉"。言葉づかいの選択で残念な人生を送っていませんか? この本は、普段、あなたが使っている言葉が“損する言葉"であるか“得する言葉"であるか、ひと目で判断できる! そのような内容になっていま…

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