親からの褒め言葉は、子どもへの「大きなご褒美」
褒めればグングン伸びていく
子どものよいところは、とにかく褒めましょう。子どもは、親に褒められることがとても快感なのです。子どもは実は常に自信がなく、不安にかられています。ですから、ちょっとでもよくなっているところを、一番身近な家族に褒められると、とてもうれしいのです。
褒めるときは、「他の子と比べていいね」ではなく、その子が前よりもよくなっているところを思い切り褒めましょう。比較対象にするのは、子ども自身です。褒めると、褒めたところは、不思議なほどにグングン伸びていきます。
たとえば、勉強でも、「英語の文法がよくできるようになったね」と言うと、「そうか、自分は文法が得意なんだ」と意識する。すると、次に英語の時間に文法を学ぶときに、真剣に教師の話を聞くようになり、理解も進み、さらに点数がよくなっていく。こうして好循環が生まれます。
子どもは親に自分を見ていてほしいと思っています。むしろ、見ていてもらわないと生きていけません。親からの承認があって、子どもは成長していくのです。ネガティブなことは言わずに、見ていることが大事。文句ばかりだと「うるさいな」となりますから、ニコニコしながら見ていましょう。
思春期であれているときでも、親に静かに見守ってもらっていることで、落ち着いてきます。イラついて素直に褒められないな、と思うときは祖父母の力を借りるのも一考です。おじいちゃん、おばあちゃんは達観していて、「人生こんなもんだよ」と言ってくれる。煮詰まらなくてすみます。「あなただって、小さい頃は親をてこずらせたのよ」などと言われることもあり、親としての自分を客観視させてくれる一面もあります。
今は三世代で同居している人は少ないと思いますが、電話でもいいし、オンライン通話なども使いながら、おじいちゃん、おばあちゃんと子どもがたわいない会話をする時間を持つと、みんなに気持ちの余裕が生まれます。
柳沢 幸雄
東京大学名誉教授
北鎌倉女子学園学園長