「カラフルデブ」――パンチが効いた名称は、脳神経外科専門医とファッションデザイナーという2つの肩書を持つ、Dr まあや氏の通り名だ。髪はピンクや青、黄色や緑のレインボーカラー、そして身を包むファッションもとにかく奇抜。一度見たら絶対に忘れられない容姿から、インターネットで人気に火がついた。以来、『アウト×デラックス』(フジテレビ系)や『人生が変わる深イイ話』(日本テレビ系)などバラエティ番組に引っ張りだこ。ここでは彼女の半生とポジティブ思考の秘訣を紹介する。本連載は、Dr まあや氏の著書『カラフルデブを生きる』(セブン&アイ出版 ※2020年に事業終了)から一部を抜粋した原稿です。

一度キャリアに挫折すると再出発が難しい日本

日本は今、結婚しない人が増えて、深刻な少子化問題を抱えていますよね。これも、私みたいに結婚できなくて子どもを産めなかったり、家庭の事情で子どもを産まなかったり、病気で子どもがつくれなかったりと、理由はさまざま。

 

なんなら、今をときめく大人数アイドルグループの「恋愛禁止ルール」も、少子化の一因なんじゃないかと思ってしまいます……。少子化の超究極的な解決法として、いずれは一夫多妻制をとるか、昔のように恋愛なんかはせずに若い者同士をお見合いさせて、その日のうちに結婚させる、なーんていうことになるんでしょうか? でも、これは極めて非現実的です。

 

これだけ価値観が多様化するなかで、もっともっといろいろな生き方を認めることが、大切なんだと思います。仕事をして数年経ってから、結婚と同時に専業主婦になったとします。それで子どもを産んでしばらくたって、もう一度、仕事をしたいと考える人もいるはずです。女性が産休、育休を取って、落ち着いたら仕事復帰というのは、今ではかなり認められるようになりました。でも、これが男性の育休となるとハードルが非常に高いですよね。

 

さらには仕事をしているなかで、もう一度勉強したくなって、大学や大学院に入り直したいと考える人もいると思います。同じ職場に戻ったり、転職したり。あるいはいくつかの仕事をかけもちしながら、活躍の場をどんどん広げていったり。そんな生き方が男女問わず、広がっていくのが理想です。

 

私は、就職うんぬんについて偉そうに語れません。でも、今の日本での働き方は、一般的な価値観とルールに、あまりにもがんじがらめになっているように見えるんです。みなさん本当に余裕がない状況にあるなあ、というのは、外来で患者さんと話していても感じることです。

週4日勤務…雇用環境はもっと柔軟でいい

たとえば、フルタイムの仕事の定義が変わって、「週4日勤務でも正社員として働ける」……そんな条件つき社員が、もっと増えたっていいですよね。それに日本は一度キャリアに挫折してしまうと、なかなか再出発が難しい。そのことも、なにか新しいことを始めるための、高いハードルになっています。

 

病気になって早くに退職せざるをえなくなった。学生時代に引きこもりになった。子育てで退職したら復帰できなくなった。いろいろな人がいます。社会復帰のチャンスは2度、3度とあるべきです。生き方を選ぶ自由は本来、誰にでもあるはずなんです。仕事の仕方は人それぞれ。ひとつのことをコツコツやるのが合っている人と、2つ3つをかけもちすることでお金、体、精神のバランスをとっている人がいます。

 

もちろん、ひとつの仕事に楽しみや生きがいを見出せている人は、それで全然問題ありません。でも好きなこと、得意なことを組み合わせて、掛け算して生きていく働き方があったっていいんです。私も、脳外科医とファッションデザイナーという2つの仕事を50対50のバランスですることで、ストレスが緩和され、それぞれの仕事にいい影響を及ぼし合いながら、モチベーションを保つことができています。

 

仕事と子育て。仕事と主婦業。仕事と趣味。仕事と仕事。男女を問わず、そのバランスをうまくとれるような、ごちゃ混ぜの生き方が当たり前になるといいな。そうすればみんながもう少し気持ちに余裕をもって、モチベーション高く、楽しく仕事をして、よりよい結果が生まれるんだと信じています。

 

そのうち、自分の得意分野を武器に仕事をしていく“フリーサラリーマン”、なんていう職業が当たり前になってきたら、世の中ちょっとは明るくなりそうですね。

 

 

脳神経外科専門医

ファッションデザイナー

 

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カラフルデブを生きる

カラフルデブを生きる

Dr まあや

セブン&アイ出版

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