機関投資家向けのファンド組成で著名な運用会社「GAM」

本格的な海外口座活用の場として、やはり真っ先に名前が挙がるのが「香港」。本連載では、4月5日に刊行された『グローバル資産防衛のための「香港銀行口座」活用ガイド』の中から先行して一部を抜粋し、香港の銀行で取扱いのあるファンドハウスとその最新事情について紹介していきます。今回と次回は、スイスを拠点とする投資運用会社「GAMグループ」について見ていきます。

スイスを拠点とするGAMグループ

《ギャム(GAM)》

スイスを拠点とする「GAMグループ」系列の投資運用会社です。GAMグループは、運用総資産1,232億ドル(約14兆円、2015年末現在)を保有する金融グループであり、その香港の拠点が「GAM HongKong Limited(以下GAM)」になります。

 

GAMの特徴は、ファンドマネージャーが株式市場で精査し、選択した銘柄を中心に「買い(ロング)」を行い、長期間ホールドするタイプの「ボトムアップリサーチ」と呼ば れる運用手法がメインであることです。銘柄分析能力の高いファンドマネージャーが数多く揃っており、いわゆるアクティブ運用戦略を得意とする「ブティック型ファンドハウス」といっていいでしょう。

 

本来、機関投資家向けのファンド組成が大半であり、スイスの富裕層向け金融大手「ジュリアス・ベア」でしか購入できないファンドとして有名です。GAMグループ全体では、日本にもGAM証券投資顧問として進出はしていますが、日本での直販などは行われていません。

 

ちなみに、日興アセットマネジメントがGAMと提携して「日興GAMエマージングストラテジー・ファンド(毎月分配型)」を組成し、ヘッジファンドとして楽天証券などで販売されていますが、毎月分配型ということもあり、3年間のトータルリターンが1.58%とあまり好成績とはいえません。

 

そのGAMが香港を拠点に運用しているのが、欧州株式に投資する「GAM Star Continental European Equity EUR Acc」、日本株に投資する「GAM Star Japan Equity JPY Acc」、米国株に投資する「GAM Star US All Cap Equity USD Acc」です。日本ウエルス銀行(NWB)は3本とも扱っています。今回は、欧州株式に投資する「GAM Star Continental European Equity EUR Acc」の特徴を解説し、残りの2本については次回の連載で解説していきます。

2015年はベンチマークの2倍近い運用益

● GAMスター・コンチネンタル欧州株ファンド

(GAM Star Continental European Equity EUR Acc)

 

カテゴリーとしては「英国を除く欧州大型株ファンド」といってよいでしょう。過去5年間の平均リターンは8.38%(米ドルベース、2015年11月12日現在)、10年間でも7.31%(同)というパフォーマンスを示しています。

 

2014年は欧州全体の株価が下落傾向にあったために年間でマイナス8.6%になりましたが、2015年は10%以上プラスの運用益になりそうです。ベンチマークは「MSCI European ex.UK NR EUR」ですが、ベンチマークの2倍近い運用益です。

 

投資している通貨は、ユーロが73.6%、スイスフラン13.6%、スウェーデン・クローネ4.8%という具合に、圧倒的にユーロの比率が高くなっています。投資している企業を保有比率で見ると、徹底した分散投資であることが分かります(2015年9月30日現在)。個別銘柄別の投資比率の上位5社を見てみると、生活必需品などを扱っている一般消費財の企業が多いことが分かります。


・Paddy Power(一般消費財)……4.6%
・Wirecard(情報産業)……4.4%
・Roche(ヘルスケア)……4.3%
・Cie Financiere Richemont(一般消費財)……4.3%
・Continental(一般消費財)……4.2%

 

国別では、ドイツ、フランス、アイルランド、スイス、スペインがベスト5です。欧州に投資したファンドというのは、日本ではアジア株や米国株などに比較すると販売数そのものが少ないという現実があります。そういう意味でも、高い運用益を上げてきた欧州ファンドは貴重な存在であり、海外口座ならではの商品といっていいでしょう。

経済ジャーナリスト

1952年長野県生まれ。武蔵大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て、金融・経済関連の企画、編集、執筆を行うプロダクション「ライトルーム」を設立。取材執筆のほか、テレビ、ラジオ等のコメンテーターとしても活動している。

『老後破綻 改訂版』(廣済堂出版)、『グローバル資産防衛のための「香港銀行口座」活用ガイド』(幻冬舎メディアコンサルティング)、『日本人が知らなかったリスクマネー入門』(翔泳社)、『「老後」プアから身をかわす 50歳でも間に合う女の老後サバイバルマネープラン! 』(主婦の友インフォス情報社)、『はじめての海外口座』(学研パブリッシング)など著書多数。

著者紹介

連載香港からアクセス可能な著名「ファンドハウス」の最新事情

本連載は、2016年4月5日刊行の書籍『グローバル資産防衛のための「香港銀行口座」活用ガイド』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。
本連載の記載の内容は情報の提供および学習を目的としたものであり、本連載を用いた運用は、必ずご自身の責任と判断によって行ってください。また、本連載の内容に関して運用した結果については、著者および株式会社幻冬舎メディアコンサルティング、合同会社幻冬舎ゴールドオンラインはいかなる責任も負いかねます。また、本書に記載されている情報は2016年4月現在のものであり、今後変更されることがあります。

グローバル資産防衛のための 「香港銀行口座」活用ガイド

グローバル資産防衛のための 「香港銀行口座」活用ガイド

岩崎 博充

幻冬舎メディアコンサルティング

世界有数の金融センター香港の魅力から、現地金融機関の特徴、日本人に最適な銀行での具体的な口座開設手順、さらには購入可能な金融商品と運用のポイントまで海外銀行口座の活用方法を徹底ガイド!

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
TOPへ