「潔癖症な妻」にウンザリして不倫中…妻とは離婚できますか?

性格の不一致や意見の相違などで、配偶者と距離を置きたい、もしくは離婚を考えている方は少なくありません。しかし、場合によっては、離婚請求を認められないことも…。今回は、裁判で認められ難い離婚理由について見ていきましょう。本連載は、相続問題を多く手がける弁護士の北村亮典氏が、実際の実例をもとに、相続や離婚トラブルへの対処法を解説します。※本記事は、北村亮典氏監修「相続・離婚法律相談」掲載の記事を転載・再作成したものです。

「妻のせい」で不倫したのに、離婚を認めてもらえない

Q.結婚生活を始めた頃はきれい好きな妻に好感を持っていました。

 

しかし、一緒に生活を続けるうちに次第に妻が異常なまでに潔癖症であることが明らかになりました。

 

たとえば、帰宅すると、玄関で靴下を脱いで室内用靴下に履き替え、玄関のすぐ横の部屋で、室内用の服に着替えをして、敷いた新聞紙の上にかばんを置くといったことなどです。

 

このような妻からの異常なまでの要求に毎日の生活がとても窮屈に感じられるようになり、次第に家に帰るのが苦痛になってしまいました。 そんなとき知り合った女性と恋愛関係になってしまいました。今はその女性と一緒になりたいと思っています。

 

そこで妻に離婚を求めていますが、妻は承知してくれません。私は離婚できないのでしょうか?

 

「潔癖症の妻」にウンザリして不倫したのに、離婚を認めてもらえない… (画像はイメージです/PIXTA)
「潔癖症の妻」にウンザリして不倫したのに、離婚を認めてもらえない…
(画像はイメージです/PIXTA)

 

A.不倫をした夫からの離婚請求は、たとえ妻の潔癖症がその一因であったとしても、所謂有責配偶者からの離婚請求として、厳しい要件を満たさなければ認められません。

 

不倫をした者からの離婚の請求は、裁判では容易には認められないものです。しかし、夫が不倫に走ってしまった原因が妻からの非常識ともいえるような要求に疲れはてた末のものであった、という場合でも同様なのでしょうか。

 

不倫をした夫からは「不倫してしまったのは妻がきつい性格でいつも辛くあたられていたからだ」とか「不倫してしまったのは、妻がだらしない生活態度で嫌気がさしたからだ」などという訴えを聞くことも多いですが、このような夫の心情は考慮されないのでしょうか。

 

まさにこのようなケースを判断した最高裁判所の有名な判例があります。

 

この判例のケースは、妻が異常な潔癖症だったというケースなのですが、具体的に、夫は妻から毎日以下のような要求を受けていました。

 

①夫が帰宅すると、玄関で靴下を脱いで室内用靴下に履き替え、玄関のすぐ横の夫の部屋で、室内用の服に着替えをして、敷いた新聞紙の上にかばんを置くものとされたこと、

 

②衣類は一度洗濯してから着るものとされ、夫が子供と公園の砂場等で遊んで帰ってきたときには、居間等に入る前に必ず風呂場でシャワーを浴びるものとされたこと、

 

③居間等で寝転ぶときは、頭の油で汚れることを理由に、頭の下に広告の紙を敷くものとされたこと

 

というものです。

 

こすぎ法律事務所 弁護士

慶應義塾大学大学院法務研究科卒業。神奈川県弁護士会に弁護士登録後、主に不動産・建築業の顧問業務を中心とする弁護士法人に所属し、2010年4月1日、川崎市武蔵小杉駅にこすぎ法律事務所を開設。

現在は、不動産取引に関わる紛争解決(借地、賃貸管理、建築トラブル)、不動産が関係する相続問題、個人・法人の倒産処理等に注力している。

毎月1回、大家さん向けの役に立つ裁判例のメールマガジン発行(メールマガジンご希望の方は、こちらの問合せフォームにて「メールマガジン登録希望」と書いてお申し込みください)。

北村氏が運営するメディア、 川崎・武蔵小杉の相続・離婚法律相談 はこちら!

著者紹介

連載事例で見る「相続・離婚トラブル」の解決法

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧