「成績アップに必要な勉強時間」は人それぞれ
私はよく保護者の方から「家では何時間勉強したらいいのか?」と質問されることがあります。小学生であれば、学年×10分が目安になりますが、時間はあくまで目安です。
理屈からいえば、長時間の勉強をしている子ほど成績は良いはずですが、それほど長い時間勉強していないのに成績が良い子もいます。つまり、成績の良い悪いは、勉強時間によっては決まらないのです。
では、何が成績の良い悪いを決めるかといえば、できるようになった問題数です。先ほどの「間違い直し」を含め、練習を積んで多くの問題が解けるようになった子は、テストでも好成績を残しやすいのです。一方、長時間勉強しても1問しか練習できなかった場合は、練習量が足りないので、テストでも好成績は期待できません。
ではあらためて、家での勉強時間について考えてみましょう。例えば、10個の問題に正解することを目標とします。ところが、必要な時間は、その子の学力によって大きく違ってきます。15分で終わる子もいれば、1時間かかっても終わらない子もいるでしょう。よって、成績を伸ばすのに必要な勉強時間もその子によって違ってくるのです。
繰り返しになりますが、成績を決めるのはその子ができるようになった問題数です。ですから、「うちの子は5年生だから毎日50分」と、時間を基準にすることはオススメしません。
残念ながら、小学校高学年になると「勉強しているフリ」をする子も増えてきます。「1日50分勉強しなさい!」と言ったとたんに自分の部屋にこもってしまい、ほかのことをしている可能性も出てきてしまいます。勉強していると思っていたらマンガを読んでいたり、ベッドで横になっていることはよくあることです。そうなると今度は「部屋でちゃんと勉強しているの?」と心配になります。
成績に直結するのは「勉強の量」
家での学習習慣をつけさせたいときは、1日の勉強時間を決めるよりも、「1日に1ページ」など1日の勉強量を決めることをオススメします。「この1ページを頑張ったらゲームしよう」と言ったほうが、子どもの集中力も増すからです。お母さんやお父さんにとっても、勉強したかどうかが目に見えますね。教材は学校のドリルなどを優先させ、必要があれば市販のドリルや通信教材で補いましょう。
1ページなんて少ないのでは?と思う親御さんもいらっしゃると思います。もちろん、それぞれに学力は異なりますし、時期によっても成績が上がったり下がったりします。得意科目はページ数を増やし、苦手科目はやさしい問題集を与えるなど、お子さんの学力や生活の様子を見ながらご家庭でアレンジしてください。時間の長さにこだわるより、毎日勉強する習慣をつけるほうが大切です。
悪い例:「あと1時間やって!」
【まとめ】
伸ばす親は、できるようになった問題数に注目する!
安村 知倫
桜ゼミナール塾長
チャイルドコーチングアドバイザー