2020年8月の水関連株式市場

投資のプロフェッショナルである機関投資家からも評判のピクテ投信投資顧問株式会社マーケット情報。専門家が明快に分析・解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報を転載したものです。

8月の投資環境

8月の世界株式市場は、MSCI世界株価指数(現地通貨ベース)で上昇しました。世界の株式市場は、新型コロナウイルスのワクチン開発や米国の追加経済対策への期待などを背景に上旬から上昇基調となりました。その後も企業決算が全体的に予想を上回ったことや、ユーロ圏の景気指標や米国の住宅販売関連などの経済指標の改善が景気の先行き期待に繋がり上昇しました。月末にかけてもドイツ政府による追加景気対策の公表、ジャクソンホール会議での米連邦準備制度理事会(FRB)パウエル議長発言を受け長期間、低金利が続く見方が強まったことなどを受けて株式市場は上昇し、月間でも大きく上昇しました。

 

業種別では、情報技術、一般消費財・サービス、資本財・サービスなどが大きく上昇した一方、公益、エネルギーは下落、ヘルスケアも小幅な上昇にとどまりました。

 

こうした中、水関連企業(現地通貨ベース)の株価は市場に比べて小幅な上昇にとどまりました。装置製造・エンジニアリングセクターでは、ファーガソンは住宅向けの製品への堅調な需要が継続していることが明らになり株価は上昇基調となりました。また、ザイレムはコロナ禍においても健全なバランスシートと良好なフリー・キャッシュ・フローを示す業績を発表し株価は上昇しました。

 

上下水道ビジネスセクターでは、スエズは同業他社から買収意向が示され株価が上昇しました。サンパウロ基礎衛生公社は州知事が公営化を検討することが伝えられ、これまでの完全民営化への期待が薄れ株価が下落しました。米国ではエッセンシャル・ユーティリティーズは買収資金調達のため増資を行い株価は調整しました。また、アメリカン・ウォーター・ワークスは、カリフォルニア州の次の水道料金改定において、公益事業と他の事業を分けて収益目標を設定する仕組みがなくなり、不利となる見込みとなり株価が下落しました。両者とも米国における水道事業の民営化の進展で買収により事業を拡大していくという大きなトレンドの恩恵を受ける企業であると考えています。

 

円換算ベース、月次、期間:2010年8月末~2020年8月末 ※先進国株式:MSCI世界株価指数、水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース) 出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧  問株式会社作成
[図表1]水関連企業の株価推移 円換算ベース、月次、期間:2010年8月末~2020年8月末
※先進国株式:MSCI世界株価指数、水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース)
出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

 

月次、期間:2010年8月末~2020年8月末 ※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
[図表2]水関連企業の株価収益率(PER)の推移 月次、期間:2010年8月末~2020年8月末
※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

今後の見通し

足元では、地政学的リスクや米国の金融政策に加えて、新型コロナウイルスの感染拡大などマクロ経済見通しを不透明にする多くの要因があり、世界の経済成長に対してプラス、マイナスの両方に作用しています。不透明な環境は、世界全体の製造業景気指数が弱気な見通しを示すなどビジネス・センチメントに影響しています。

 

水関連インフラへの投資は必要不可欠であり、中長期的に見ると、世界的に事業展開を行う水関連銘柄のファンダメンタルズは堅調であると考えます。温暖化の影響から世界的な気候変動によって引き起こされる干ばつや洪水の問題なども、水関連インフラへの投資を呼び起こしています。中長期的に水関連株式は引き続き魅力的な投資対象であると考えます。

 

 

※MSCI指数は、MSCIが開発した指数です。同指数に対する著作権、知的所有権その他一切の権利はMSCIに帰属します。またMSCIは、同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています。

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(2020年9月10日)

ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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