働き方改革で職場定着率の向上、医療レベルの向上
今のところ医療機関で「医師の働き方改革」にしっかりと取り組めているところは多くないようです。ですから、今まで何もしていなくてこれから本格的に準備を始めるという段階にあっても全く遅くありません。
一方、「医師の働き方改革」に取り組み始めている医療機関では、離職者やインシデントが減ったりと、すでに成果が出ているところも散見され始めています。ですから、病院経営者や幹部クラスの医師の先生方が本気になって取り組み始めれば「医師の働き方改革」は必ず結果を出すことができます。
成果を出していく上での最も大切なポイントは、やはりコミュニケーションです。コミュニケーションには組織を変えていく大きな力があります。そこで、病院経営者や幹部クラスの医師の先生方がコミュニケーションスキルを今からしっかり学び始めれば、想定していた以上に臨床現場の雰囲気がガラッと変わっていくのです。
すでに成果を出している他院の先生方の取り組みについて、私がお話を伺った中で、このことは例外なく共通しているものだと確信しました。そして、よい職場の「雰囲気」というものについては、若い医療者たちは確実に感じ取ってくれます。職場の雰囲気が良くなれば、退職しようと思う人が減り、その病院の医療レベルもさらに高いものになっていくことでしょう。
「医師の働き方改革」は、単に国の方針に従い残業を減らすことにとどまらず、職場定着率の向上、医療レベルの向上、さらには地域医療の活性化といった様々な大きなメリットが含まれているということを、ぜひ、今のうちから明確に認識しておいていただきたいと思います。
佐藤文彦
Basical Health産業医事務所 代表
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
