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8月の米雇用統計は注目度の高い失業率などが市場予想より改善したことから、米国債利回りは上昇(価格は下落)しました。ただ、為替市場では公表直後円安・ドル高が見られましたが、長続きはせず、気迷いも見られました。今回の雇用統計全体を通じて、雇用市場の回復傾向を確認できますが、質の点などに一部不安もあります。
米雇用統計:8月の主な雇用指標は市場予想を上回り(改善)、概ね雇用回復を示唆
米労働省が2020年9月4日に発表した8月の雇用統計で、非農業部門雇用者数(季節調整済)は前月比137万人増と、市場予想(135万人増)を上回りました。なお、前月は173.4万人増でした。
家計調査に基づく失業率は8.4%と、市場予想(9.8%)、前月(10.2%)を下回りました。
どこに注目すべきか:失業率、雇用者、就業者、長期失業者
8月の米雇用統計は注目度の高い失業率などが市場予想より改善したことから、米国債利回りは上昇(価格は下落)しました。ただ、為替市場では公表直後円安・ドル高が見られましたが、長続きはせず、気迷いも見られました。今回の雇用統計全体を通じて、雇用市場の回復傾向を確認できますが、質の点などに一部不安もあります。
雇用の回復継続は前月比で137万人増加した非農業部門雇用者数に表れています。また、内訳を見ても、雇用の吸収先となることが多い小売りは約24.9万人増と、前月を上回る伸びを確保しました(図表1参照)。新型コロナウイルスの感染拡大で、配送への需要は底堅いと見られることから運輸・倉庫は約7.8万人増と、こちらも前月を上回りました。一方で、外食産業などコロナの影響で一時的解雇の選択を迫られたセクターを多く含む娯楽は8月も前月比17.4万人増と雇用を確保しましたが、前月(62.1万人増)からは減速しました。
なお、8月の雇用の増加には、国勢調査のため臨時雇用された23.8万人が含まれています。
次に、失業率も8月は8.4%と、心理的な壁である10%を下回りました。市場の予想でも10%を下回るのは年末近くを見込む声が多かっただけに、数字の上では回復ペースの速さも感じさせます。
しかし、雇用回復の一方で次のような懸念もあります。
失業率は急低下しましたが、内容を見ると就業者が8月は前月比で375.6万人増と、7月の前月比135万人増と比べて、急激に増えています。一致する必要はないのですが、8月の非農業部門雇用者数の137万人増に比べて相対的に高いように思われます。
また、労働省の声明を見ると、労働者からの回答をベースにする失業率(家計調査)では、自分が雇用なのか否か正しく分類されていないケースがあると労働省は見込んでいます。労働省の推定では、上限で0.7%高い(9.1%の)可能性もあると指摘しています。
最も気になるのは恒久的(非一時的)失業者が増加傾向にあることです(図表2参照)。現局面の失業者の特色は一時的失業者(解雇者)が、過去の景気後退局面に比べて圧倒的に高い比率を占めたことです。一時的な解雇者が職場復帰を果たす(雇用者数回復)の一方で、長期失業者が過去の景気後退局面の様に増加し続けるなら注意が必要です。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『米雇用統計、回復の裏にある一抹の不安』を参照)。
(2020年9月7日)
梅澤 利文
ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部投資戦略部 ストラテジスト
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