インドは中国に次いで世界第2位の14億人の人口を誇る。豊富な人口に加え、平均年齢が27歳と中国より10歳若く、中国経済が減速する中、インドの本格的な成長が期待されている。今後、インドは世界市場の「最後の成長のエンジン」となれるのか。日本企業は成長の果実を得ることができるのか。本連載はグルチャラン・ダス著『日本人とインド人』(プレジデント社)の抜粋原稿です。

インド人にとって、ユニクロ製品の値段は決して安くはありません。知名度もまだまだだと思います。

 

デリー店の次にグルグラム(グルガオン)のショッピングセンター「サイバーハブ」にできた2階建ての店にも行ってきました。デリー店よりも狭く、商品が詰め込まれている印象です。

 

こちらは金曜日の2時頃に行きましたが、店内は超満員でした。しかし、レジには列ができておらず、物珍しさで客は来るが、売り上げにつながっていないような印象を受けました。

 

一緒に行った友達は下着のパンツ1枚が500ルピー(日本円で760円程度)は高いから、買う気はないとのこと(日本のユニクロなら500円程度)。

インドで「MUJI」ブランドは知られていない

甥とその妻は無印良品の店にも行っています。無印良品の方がユニクロより前の2016年から出店しているそうですが、私はまったく知りませんでした。MUJIというブランドはインドではほぼ知られていないと思います。

 

私もおじさんと一緒で、MUJIというブランドは知りませんでした。インド出店 から3年、デリー出店から2年が経ちますが、知名度はその程度なのです。

 

訪れたのはノイダにある「DLFモール」。ノイダの中心地にあるインド最大のモールにある店です。一緒に働いている男性従業員、Sheenabh(22歳)とChandan(28歳)のふたりも連れていって、感想を聞きました。若い男性の意見として聞いてください。

 

Chandanは家具売り場にあったアロマディフューザーがいいとのこと。クールなデザインだし、三段階に時間を選べる機能も便利そうに見える。機能は素晴らしいと思うが、高い。他の店でシンプルなものをこの半額で買ったが十分満足している。富裕層しか買えないでしょうとのこと。

 

SheenabhはMUJIでいちばん売れているという文房具売り場に行きました。紙の質は素晴らしいし、ペンの書き心地もいい。そう、ほめていました。 

 

ふたりともインド人のなかでは中流です。決してお金を持っていないわけではありませんが、日本製品はインドに持ってくると、どうしても高くなってしまうのでしょう。

 

衣料品は不評でした。ふたりとももっと、個性のある服をお気に入りの店で買いたいとのこと。家具を売っていることに驚いたようです。インドでは家具は家具店、服は衣料品店と決まっているので、いろいろなものがひとつの店にあることにびっくりしていました。

 

インド人の間にMUJIというブランドと、何でも売っている店というコンセプトが浸透しないと、来店客は増えないと思います。

 

グルチャラン・ダス
著述家 経営コンサルタント

日本人とインド人

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グルチャラン・ダス

プレジデント社

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