従業員を見下さなかった…インドでスズキ車が溺愛される理由

インドは中国に次いで世界第2位の14億人の人口を誇る。豊富な人口に加え、平均年齢が27歳と中国より10歳若く、中国経済が減速する中、インドの本格的な成長が期待されている。今後、インドは世界市場の「最後の成長のエンジン」となれるのか。日本企業は成長の果実を得ることができるのか。本連載はグルチャラン・ダス著『日本人とインド人』(プレジデント社)の抜粋原稿です。

スズキとトヨタ以外、日本企業の存在感なし 

インドにはスズキをはじめとして日本企業が多く進出してきています。しかし、明確に述べますが、スズキ、トヨタなどごく一部の日本企業をのぞけば、インドでは日本企業の存在感はありません。

 

パナソニック、ソニーについて聞いたことはあるけれど、両社の家電製品を持っているインド人はほぼいません。金融、ITといった企業についてはまったく知らないといっていいでしょう。ITの仕事をしているビジネスマンの間では、ソフトバンクは知られています。しかし、その他の日本企業のことは知りません。

 

日本企業のすべてが東南アジアや世界で存在感を示しているわけではない。(※写真はイメージです/PIXTA)
日本企業のすべてが東南アジアや世界で存在感を示しているわけではない。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

インドで知られているのはアメリカ、イギリス企業。次いで、韓国企業と中国企業でしょうか。家電製品のうち、冷蔵庫、洗濯機などは韓国製もしくは中国製です。スマホはサムスン、シャオミ、ノキアです。韓国の企業についていえばサムスンのイメージは非常にいい。しかし、ヒュンダイの車は安物、壊れやすいといったイメージを持っています。それでも、まだ韓国企業の方が日本企業よりも、一般のインド人には存在感があるのではないでしょうか。

 

日本企業はインドの一般的な庶民にとっては知らないでもいい存在になりつつあるのです。

 

私は不思議に思います。

 

バンコクへ行くと、日本企業の看板、日本食の店がいくつもある。ミャンマーにも増えつつあります。シンガポールにもある。しかし、マレーシア、インドネシアといったイスラムの国へ行くと、日本企業の知名度はタイほど高くありません。

 

日本企業のすべてが東南アジアや世界で存在感を示しているわけではありません。日本企業のうち、トヨタ、日産、ホンダといった自動車会社だけが、かろうじて存在感を放っているのです。

 

そして、日本企業は存在感を示しているその自動車会社が進出している東南アジア諸国を目指している。しかし、東南アジアのマーケット規模はインドほどではありません。

著述家、経営コンサルタント

著述家、経営コンサルタント(特に企業のグローバル戦略)。「タイムズ・オブ・インディア」に定期的にコラムを執筆。「ウォールストリート・ジャーナル」、「フィナンシャル・タイムズ」などに随時寄稿する世界知識人の一人。ハーバード大学哲学・政治学科卒業、ハーバード・ビジネス・スクールで学ぶ。リチャードソン・ヒンドスタンの会長兼最高経営責任者(CEO)、プロクター&ギャンブル(P&G)インディ アのCEO、P&G本部の経営幹部(戦略企画担当) を務めた。小説『A Fine Family』(ペンギン)、劇作集『Three English Plays』 (オックスフォード大学出版局)、エッセー集『The Elephant Paradigm』(ペンギン)などがある。ニューデリー在住。

著者紹介

連載インドは「世界の成長エンジン」になり得るか?

日本人とインド人

日本人とインド人

グルチャラン・ダス

プレジデント社

インドは中国に次いで世界第2位の14億人の人口を誇る。豊富な人口に加え、平均年齢が27歳と中国より10歳若く、中国経済が減速する中、インドの本格的な成長が期待されている。今後、インドは世界市場の「最後の成長のエンジン…

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