減少し続ける出生率…少子化打開の道は険しく
2020年、多大な影響を及ぼしている新型コロナウイルスですが、日本が解決すべき問題は、それだけではありません。「少子高齢化」。この流れを止めなければ、日本の将来はないとして、平成15年少子化社会対策基本法に基づき、少子化の状況や少子化に対処するために講じた施策の概況を黒海に報告しなければならないとされました。
その最新の報告書「少子化社会対策白書」から、少子化の現状をみていきましょう。
まず日本の総人口は2019年で1億2,617万人。そのうち年少人口(15歳未満)が12.1%、生産年齢人口(15~64歳)が59.5%、65歳以上人口が28.4%となっています。戦後、1950年、年少人口は総人口の35.4%を占めていましたが、以来、その割合は年々低下。1970年に24%、1990年に18.2%と推移。国立社会保障・人口問題研究所によると、20年後の2040年には10.8%になると予想しています。
2019年の出生数は、86万5,234人となり過去最少を記録。90万人を割り込み、ニュースでは「86万ショック」と大々的に伝えられました。合計特殊出生率(その年次の15 歳から49 歳までの女子の年齢別出生率を合計したもの)は1.36。これまでの最低の合計特殊出生率は2005年の1.26で、それを上回っていますが、前年より0.06ポイント低下しました(図表1)。
少子化の背景には、女性の晩婚化や社会進出、核家族化の進展、子育て環境の未整備など、さまざまな要員が絡み合っています。2015年、安倍首相が発表した「「新3本の矢」のなかで、国民の希望がかなった場合の出生率として「希望出生率1.8」を掲げましたが、その実現に向けては難題だらけで、遠い道のりとなっています。