「一に姿勢、二に運動、三、四がなくて、五に治療」
なんだかんだいっても、長生きをしている人は、あまりいいものを食べていない。すごいサプリメントを飲んだから長生きできた、なんて話も聞いたことがない。健康は食事だけの問題じゃない。
私は、「一に姿勢、二に運動、三、四がなくて、五に治療」と教えている。三は食事、四はサプリメント系を摂ることを暗に伝えているのだが、食べ物があふれまくっている現代にはいらないことだ。だから三、四を飛ばして治療。
私は「治療したから治してやったぞ」とは、必ずしも思わない。「治療に至らずに治さないといけない」というのが私の考えだが、生活もある。経済原理は、やっぱり大事なのである。
自分の「歪み」や「ねじれ」を実感することが重要
姿見(鏡)の前に立って、自分の姿勢を知ろう。顔は見なくてもいい、姿見の前で足を揃えて立ってみる。そうすると、自分の体が、いかに歪んで曲がっているのかが分かる。自分では真っすぐきれいな姿勢を取っているつもりでも、正面から見ると、足はよそを向いていたりする。
歪みやねじれを実感することで、「姿勢を良くするにはどうしたらいいか」「使っていなかった筋肉を使う習慣を、どう身につけるか」などを一緒に考える。治療ではまず、患者に、いい姿勢を確認させて、一番いい姿勢のときにコルセットを装着する。コルセッは、着けた瞬間を維持する道具。歪んだ状態で着けてしまうと、歪んだままの状態であって、気持ちはいいかもしれないが、治療効果はゼロだ。
テレビやネット通販などの「曲げ伸ばし楽々」などという宣伝文句を信じるあまり、つい買ってしまう腰や膝のサポーターなどがあるが、あれは根本的に全部よくない。仕事で使う人には問題ないが、年寄りなんかが使うと逆効果だ。悪い姿勢のまま動きやすくさせてしまうのだ。
膝のサポーターなんかで膝が曲がりやすいということは、反面、膝が伸びなくなり、膝を曲げて歩くようになってしまい、どんどん歪んでしまう。腰のコルセットにも同じようなことがいえる。背中が曲がってしまうのだ。それらしいフレーズをたくさん耳にすることが多いが、注意が必要だ。