腱鞘炎というのは、全体が曲がっている状態が原因となって起こる。さらに、伸ばすことの重要さを説いても、指が硬い人の場合は、スポーツなどで、指が曲がったままの状態で試合を行うため、ケガのリスクが大きい。年寄りの場合は、指が伸びないと手首が硬くなり、地面に手をついただけで骨が折れてしまう。指や手首の柔軟性は、日々の生活に必要なのだ。
ケガのリスクや痛みから逃れるためにも、「伸ばす」という行為が、いかに重要かということを覚えておいてほしい。
肩こりと腰痛は生まれいずる悩み
いい姿勢を取れば、あまりボロが出ないで済む。何もしなければ、少しずつ体が歪み曲がってきて、障害がどんどん出てくる。私たちにとって肩こりや腰痛は、生まれいずる悩みだ。
子どもは元気だと皆が思っているが、ほとんどの子どもは肩こりで腰痛持ちである。小さいころからそういう症状があるから、認識をしてないだけ。肩こりとか腰痛ということを、子どもは認識できていないだけなのだ。親も「子どもは元気だ」と信じているだけ。元気な子は、ほんの1〜2割。
今の子どもは上を向いて寝ていない、横を向いて丸くなって寝ている子がほとんどだ。姿勢を悪くしている。だから、いい姿勢を取れというわけだ。
※本記事は連載『治療の痛みは喜びの涙 ある整形外科医の言いたい放題』を再構成したものです。
片岡 泰文
片岡整形外科院長