治るために「必要な痛み」がある
歪みやねじれに伴う痛みは、いい姿勢をしっかり取ることで消える。そのためには大きなハードルがあって、どうしても最初に痛みがくる。
患者には「痛みが出ることはいいことだ」と説明はするが、患者は痛みを取ったり和らげたりすることが病院の治療だと考えている。しかし、根本から治すためには「治るための痛みは出さないといかん」と話す。
必要なときは、その痛みに対して痛み止めを使うこともあるが、「痛みが出ることはいいことだ、治るための痛みだ」と強調している。
「曲げ」よりも「伸ばし」が重要な理由
姿勢が悪い人は、指も曲がっているというのが私の持論だ。腱鞘炎の原因も、基本的には姿勢が握っている。コンピューターに向かって仕事をしている人などは、常に姿勢が曲がって肩も凝っている。指も曲げて、腕は宙に浮かせている。そうすると、徐々に炎症を引き起こしていく。さらに、同じ姿勢でいると、腕や指などの筋が伸びなくなる。テレビでは筋トレなどと称して「曲げの運動」を勧めているが、肝心なのは「伸ばしの運動」を行うこと。
世間ではテレビの影響もあってか、曲げる運動はよくやっている。だが、重要なのは伸ばすこと。パソコンをずっとやっている人は、腕が宙に浮いているのが良くないのだ。腕の重みを支えるために、常に力が入っている状態になる。ぬいぐるみでも何でもいいので、腕を支える位置にそっと置いてやることで、力がフッと抜ける。そうすれば血流が戻り、張りを抑えることができる。
「伸ばし」でケガや痛みのリスクを減らせ
曲がりのクセというものが、痛みの原因をつくっている。だから治療は「伸ばせ、伸ばせ」だ。腱鞘炎など一部分に痛みがあるから、ここだけ治せばいいというものではない。