鉱工業生産はプラスが続く
小売売上高は回復遅れる
■中国国家統計局は14日、主要経済指標を発表しました。7月の鉱工業生産は前年同月比+4.8%と、6月から横ばいで、4ヵ月連続のプラスとなりました。ただ、市場予想(+5.2%)は下回りました。品目別の生産量をみると、販売が好調な自動車が+26.8%、在宅勤務で需要が増えたコンピューターが+17.8%と高い伸びとなりました。
■7月の小売売上高は前年同月比▲1.1%と、6月の▲1.8%から減少率が縮小したものの、市場予想(+0.1%)を下回りました。業種別にみると、新車販売が好調だった自動車が+12.3%と伸びた一方、飲食業は▲11.0%となるなど、新型コロナウイルスの影響が続き、回復が遅れています
固定資産投資も回復傾向
不動産開発投資は2ヵ月連続プラス
■1~7月の固定資産投資は前年同期比▲1.6%と、市場予想通りで、1~6月の▲3.1%から減少率が縮小しました。内訳をみると、堅調なマンション販売などから、不動産開発投資が+3.4%と、2ヵ月連続で前年を上回りました。
20年の中国経済は2.6%成長を予想
■新型コロナの感染拡大の封じ込めにいち早く成功した中国は、他国に先駆けて経済活動を再開し、4‐6月期の実質GDP成長率が前年同期比+3.2%となるなど、景気が回復基調にあります。ただ、7月の主要経済指標をみると、消費の戻りが遅れており、ここに来て回復ペースがやや鈍化している模様です。
■弊社は、消費見通しの引き下げを主因として、2020年の実質GDP成長率見通しを+3.6%から+2.6%に下方修正しました。今後中国政府は景気刺激策を緊急モードからやや緩和するとみています。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『中国の鉱工業生産は4ヵ月連続プラス』を参照)。
(2020年8月17日)
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