夫婦は他人…違いを理解して冷静に話し合いを
私は決して「産後の妻はこのような言動に期待しているから、夫たちはご機嫌取りに奔走しなさい」と言いたいわけではありません。どんなに頑張ったって、できないことはあります。
だからこそ、夫婦にはもっと会話をしてほしいと思っています。もしも妻から「言わなくても分かってよ」と言われてしまったら「ごめんね、でも言われないと分からないこともあるんだ。できるだけ気をつけるけど、そうならないために話し合わない?」と提案してみるのも一つです。
決して「エスパーじゃないんだから、そんなの分かるわけないだろ! 君だって俺が何をしてほしいかなんて分からないのに、なんでこっちにばっかり求めてくるんだよ」などと反論をしてはいけません。
恋愛中はお互いを客観的に見ることができるし、それぞれの違いが魅力的にさえ思えますが、結婚をするとどうしても同じ土俵に上がってしまい「なんでこの人は自分と同じようにしてくれないんだろう」と思ってしまいがちです。でも、夫婦だって結局は他人なのですから「この人はそういう考え方をするんだな」と認め合い、そのうえできちんと冷静に話し合ってほしいのです。
おすすめは、家事の分担をきちんとすることです。そうすれば女性側も「私は無収入だから頼んではいけない……。」なんて気を使わずに済みます。
また、役割を決めることでお互いに手の届いていない部分が明白になります。するとサポートしてあげるべき部分もより分かります。このときはもちろんスマートにやることを心掛けてください。
決して「ねえ、お皿洗いは君の仕事だったけど、できていないみたいだから僕がやるよ」などと言わないように。何も言わずにそっと手を差し伸べるのです。そうしているうちに、妻の要望が自然と分かってくるようになります。
東野 純彦
東野産婦人科院長