産後の夫婦関係はその先何十年を左右する。日本では「産後うつ」になる女性が30%を超えるが、男性のサポートが得られなかったことも大きな原因だろう。産婦人科院長を務める著者が、夫婦で仲良く過ごすための男性からの働きかけのヒントを伝授する。本連載は、東野産婦人科院長の東野純彦氏の著書『知っておくべき産後の妻のこと』(幻冬舎MC)から一部を抜粋した原稿です。

妻が求めている、夫の「臨機応変さ」

【とある夫婦の事例】

 

妻はわざわざ「これやってほしいんだけど……」と言う前に、夫に察して動いてほしいと思っています。

「ねえ、私が掃除をしないと部屋はきれいにならないわけ ⁉ 一緒に住んでるんだから、あなたも少しくらい掃除してよ」

「そんなこと言われても十分きれいじゃないか……。言ってくれたらちゃんとやるよ」

ついこのような会話になりがちです。

 

しかし女性は「普通、見たら分かるよね?」と、思ってしまいます。

さらには「今まで何度も『たまには掃除をしてほしい』って(遠回しに)言ってきたつもりだけど、やってくれた試しがない」と、過去のことまで引っ張り出してくることもあります。男性はそもそも気にしていないので「え、そんなことあったっけ?」と混乱に陥ります。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

ここでの正解は、もちろん妻の動きを察して先回りをすることです。しかし、男性は脳の構造的に簡単に切り替えることはできません。それにこのような場合もあるのです。

「お風呂掃除しようか?」

「そういうの、聞かずにやってくれるとうれしいんだけど」

「え……。でもこの前、お風呂掃除しようと思って湯船の水を抜いたら『浴槽を漂白中だったのに余計なことしないで』って怒ったじゃん。だから声をかけてからのほうがいいのかなって」

「そういうのってケースバイケースでしょ、なんで臨機応変に考えられないの」

「……(じゃあ、どうしたらいいんだ!)」

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    東野 純彦

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