妊娠中の体重は「平均7~12kg」増えるもの
結婚した当初の恵さんはスラリとしていて、身体のラインが出る洋服を好んで着ていましたが、出産後は身体が丸みを帯び、体重が6kgほど増えていました。
体重を元に戻したいと思いつつも、授乳中で食事制限をするわけにもいかず、運動する時間も取れず、体型のことを気にしていたのです。
妊娠中の体重は平均~12kg増えるのが標準です。妊娠中は痩せ過ぎてもいけませんし、太り過ぎてもいけません。
出産を終えて自然と体重が戻る人もいますが、ホルモンバランスの変化やさまざまな状況から、そのまま体型が変わらないこともあります。
「どうして元に戻れないんだろう」と焦ったり悲しんでいる女性は多いのです。ですから、そんなに気にするなら痩せればいいじゃないか、なんて考えは御法度です。
もちろん和人さんの場合は、妻が太ったことを悪いなんて思っていないし、無論、愛情も変わってはいません。
ただただ「サイズの合うものを新しく買えばいいじゃないか」と提案したつもりが、恵さんからすると「お前は太ったんだから細いものははけない。以前と比べてきれいじゃなくなったんだから」とバカにされている気がしたのです。
できることなら「そのままでも十分かわいいよ」と言えるのが理想ですが、口下手な男性にはハードルが高いかもしれません。直接的な言葉で伝えられなくても、「そのままのあなたで良い」というメッセージを発するように心掛けましょう。
それだけで女性は安心し、心に余裕が生まれ、笑顔でいてくれるようになります。少なくとも外見や体型に関するネガティブな言葉は絶対に発してはいけません。このことはよく覚えておいてください。
東野 純彦
東野産婦人科院長