少し前まで美容師には、美容学校を出たあとサロンに正社員として就職して、別のサロンに転職するか、もしくは独立して自分の店を持つ、という働き方しかありませんでした。しかし近年、フリーランスとして働く美容師も増えてきています。今回は、ヘアスタイリストが選べる3つの働き方のうち、「面貸しサロン」について解説します。
一方、フリーランスの場合は、教育の機会が用意されているわけではないので、自分で講習を探してお金を払って受講しなければなりません。
美容師の世界は、新しい技術がどんどん生まれますし、最新の知識がないと時代遅れになってしまいます。今、人気があってお客様がついていても、高い向上心を持って成長を続けないと、売れっ子であり続けるのは難しいでしょう。
また、フリーランスは自由な時間に働けるという反面、常にお客様とメールのやりとりをしたり、集客のためのSNSを更新するなどで、施術以外にも時間を取られます。そのため、オンオフの切り替えが難しくなり、「気づいたらずっと仕事モードだった」ということもあります。
田中 房五郎
コムズグループ 代表
※本連載では、名古屋を中心に100店舗以上のヘアサロンを展開している、コムズグループ代表の田中房五郎氏の著書『THE CAREER BOOK OF HAIRSTYLIST ヘアスタイリストのキャリアブック』から一部を抜粋し、解説します。
有限会社かっとはうすごろう 代表取締役
コムズグループ 代表
一般社団法人食と環境と健康を考える会 参与
一般社団法人日本ヘッドスパ協会 JHSA 理事
一般社団法人エシカルビューティー協会 EReA 理事
1950年、岐阜県生まれ。1972年に美容師を目指して上京し、有名講師に師事してスキルを磨きながら、数々のコンテストで優勝。その後、25歳で有限会社かっとはうすごろうを設立。1977年、イギリス・ロンドンのヴィダルサスーンにて修業したのち、全国でカット講師として活躍し、1992年には、さらなる事業拡大を目指し拠点を名古屋に移した。
コンサルタントとして活躍しながらサロン経営のノウハウを学び、2005年にはFC(フランチャイズ)制度をスタート。名古屋で展開した各サロンをFCとして譲渡し「コムズグループ」を創立する。長時間労働と低い賃金により辞めてしまう美容師があとを絶たない業界の現状を変えたいという思いから、働く美容師の満足度日本一の美容室づくりを目指してきた。現在直営店8店舗のヘアスタイリストは、週休2日、残業ゼロで平均年収は780万円。さらにヘアスタイリストのうち20%は、年収1000万円以上を実現している。
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連載凄腕経営者が伝授する「ヘアスタイリストの稼ぎ方」