「52歳会社員、50歳専業主婦」厳しすぎる年金受給額
極端な話で言えば、いくら安い物件があったとしても、都心から距離があり、さらにコンビニやスーパーなどの商業施設や公共施設が充実していなければ、多くの人は好んで住みたいとは思わないでしょう。そして建物そのものも、経年劣化によって価値が低下していきます。
ほとんどの方が、「まだ10年以上も住宅ローンが残っているのに、もう売却の検討をしなければならないのか……」と思うかもしれません。ここである一般的な家族を例にあげて説明します。
地方出身52歳会社員、奥さん50歳専業主婦、息子さん22歳大学生(就職が内定し、近いうちに一人暮らしを希望)、娘さん19歳大学生。32歳のとき、30年の住宅ローンを組み新築住宅を購入。62歳で完済予定。
60歳で定年退職後、同じ会社で再雇用を希望、65歳まで勤続予定。60歳のとき支払われる退職金でリフォームを検討中。65歳再雇用終了後、夫婦で出身地に移り住むかも悩み中。
まず、老後の生活についてですが、ゆとりのある生活をするために、必要な金額はおよそ月額35万円ほどだと言われています。総務省の家計調査によると、無職の高齢者世帯の場合、その支出は平均で29万円ほどです。そして、貯蓄額2000万円くらいは必要だと言われています。
仮に、支出を平均の29万円・年間約350万円としてこの家族にあてはめてみます。次に収入を年金受給後、社会保険を引かれ手取りで250万円とすると、年間100万円の貯蓄を切り崩していく計算になります。
年金については、世帯タイプ別厚生年金給付水準には厚生労働省が公表した次のような試算例があります。夫は40年間就労、妻は専業主婦、現役時の平均手取り収入が47.2万円の場合、受給額は23.7万円(2015年度からの受給者の場合)。
自分がどのくらい年金をもらえるかは年金定期便をみるか、もしくは、ねんきんネットで試算できますのでぜひ試してみてください。ただし、老後の資金を年金だけに頼るのは厳しいのが現状です。
現在、男性の平均寿命が80歳、女性が87歳くらいですから、20年で1500万円から2000万円もの額になります。