コロナ禍においても堅調な不動産市場を維持しているベトナムですが、外国人が不動産投資をする場合、いくつか知っておくべきポイントがあります。本記事では、現地で不動産ビジネスを展開する筆者が、「キャピタル狙い」「10年保有後に売却」を推奨する理由について、詳しく解説します。

 2.購入→売却は10年以内を目安に 

 

物件の購入から売却までのサイクルは、10年以内を目安と考えましょう。下記に理由を解説します。

 

➀外国人の土地使用権・建物所有権の期限問題

外国人の土地の使用権は50年と説明しましたが、コンドミニアムの場合は「開発許可が受理されてから50年」です。許可受理から完成引渡までは3~4年程度かかるため、新築物件でも引渡時点での物件使用権期間は47年~46年で、そこから10年なら、残りの年数は36~37年となります。もちろん国の経済状況を見ながらではありますが、残された使用期間を考えると、以降は次第に売出し価格が下がっていくことが予想されます。

 

➁ 建築技術・建築資材の耐久性問題

現時点でのベトナムの建物の多くはRC造(鉄筋コンクリート造)であり、「鉄筋によって補強されたコンクリート」による構造となっています。しかし、建築基準は日本のように厳格ではなく、いろいろな不動産を取り扱ってきた筆者からしても、柱や梁のサイズが小さく感じる物件が多くあります。さらに、壁はレンガと窓枠で構成されているため、強度面の不安もあります。そのほか、外壁の塗装(紫外線の影響もあると思われますが、劣化が早い)と、コンクリートの品質(ひび割れや剥がれが起こるのが早い)など、気になる点も少なくありません。

 

➂建物修繕費の問題

ベトナムでは、購入時に修繕費が加算されており、日本のような月々の修繕積立金はありません。修繕費は建物購入価格の2%で、たとえば1bedで約1,000万円の物件なら、50年分の修繕費は20万円の計算です。果たしてこの金額が修繕費として十分なのか、考えさせられるところです。

 

【ポイント】

現在の法律を前提に考えると、建築技術や建築資材、建築などの法規制などを勘案した場合、物件の長期保有に伴うリスクは少なくないと思われます。さらにいうなら、建物を取り壊した場合の区分使用権および所有権も、法律で明確にされていないため、これらの点は今後も注視し続ける必要があるでしょう。

したがって、法整備の状況や建築技術・建築資材の品質を見ながら、10年単位で買い替えを繰り返し、資産を増やしていくことをお勧めします。

 

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