日本の金融機関の為替手数料は香港に比べて高い傾向
通常、日本の金融機関で通貨を両替すると、仲値に対して1米ドル当たり1円程度がかかります。10万米ドルであれば、10万円ですから、かなりの額です。為替手数料の最大の節約方法は、円高のときに米ドルを買って、円安のときに円に戻すことですが、為替レートを読むのは簡単ではありません。そのため、少しでも手数料を安く抑えようとするなら、現地での両替がおすすめです。
一般的には日本の銀行で円を香港ドルや米ドルなどに両替して外貨ベースで送金しますが、日本での両替手数料は相対的に高くなっています。下図を見ると分かりますが、香港ドルに両替する場合、日本の為替手数料は5.05%なのに対して、香港ではわずか0.83%で済みます。ただし、通貨によって手数料は様々ですから、米ドルで見ると日本が1.14%であるのに対して、香港では1.20%とわずかな違いしかありません。
あくまでも比較的安いというだけなので、参考として理解してください。
なお、円のまま送金するとリフティングチャージが必要になります。たとえば、新生銀行のGoレミットの場合は、送金手数料2,000円に加えて0.1%(最低1,500円)です。急激な円安で、両替したくないときなどは、とりあえず海外に円建てで送金して、タイミングを見計らって、海外で外貨に両替するという方法も考えられるでしょう。
金融機関によっても異なる海外送金のサービス内容
以前は、海外送金といえば銀行の窓口を使う以外に方法はなかったのですが、近年はインターネットを利用した送金なども一般的になってきました。送る方法によって金額などの制限も異なるので、代表的な送金手段とその特徴を紹介しておきましょう。
● 銀行窓口での海外送金
銀行の窓口で送金する方法です。少しでも手数料が安い銀行を探すのがポイントですが、送金にかかる日数にも注意しなければなりません。銀行によって送金にかかる日数が異なり、さらに送金先の国や銀行によってもお金の着くタイミング(着金)が異なるので、事前に確認しておきましょう。
● ゆうちょ銀行
ゆうちょ銀行を使っての海外送金は、現地の郵便局などに為替証書(送金小切手)を送る「住所あて送金」と、受取人の銀行口座に送金する「口座あて送金/口座間送金」があります。ゆうちょ銀行の海外送金は、1回当たりの手数料が2,500円と格安なのが特徴ですが、国や地域、銀行によって様々な制限があるので要注意です。たとえば、ゆうちょ銀行から香港の金融機関に送金する場合、4~6営業日もかかってしまうため、早急に送りたい場合はおすすめできません。さらに、ゆうちょ銀行の場合、香港に送金できる通貨は米ドルだけ、しかも外貨両替ができる店舗も限られています。香港での資産運用という点では、あまり使い勝手がいいとはいえないでしょう。
● 新生銀行(Goレミット)
新生銀行の海外送金サービス「Goレミット」は、海外送金の手数料が一律2,000円というサービスで、一度登録すれば、指定された「送金専用口座」に「日本円」で振り込むだけで、あらかじめ指定した銀行口座に外貨で送金できるという「海外送金サービス」です。たとえば日本ウエルス銀行(NWB)に口座を開いて送金先に指定しておけば、送金専用口座に円で振り込むだけで、手数料などを差し引いたお金を自動的に送金し、手続きを完了してくれます。
為替手数料は送金日の午後3時までに振り込みが確認できれば、その日のGoレミット専用の「TTSレート」が適用されます。また、午後3時までの振り込みを銀行側が確認できれば、送金日時も「当日扱い」になります。