「老後どこに住むか?」は重要な問題です。有料老人ホーム、グループホーム、サ高住…名前は聞くけど違いがわからない人は多いのではないでしょうか。そこで本記事では、株式会社アートジャパンナガヤ設計代表取締役・長屋榮一氏の書籍『入居者が集まる!職員がイキイキ働く! 介護施設設計』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、それぞれの特徴を解説します。

介護施設や高齢者向け施設の主な種類

現在、一般に運用されている主なタイプとしては、以下の11種類を挙げることができます。

 

(1)有料老人ホーム(介護付・住宅型を含む)

(2)小規模多機能型居宅介護(小規模多機能ホーム)

(3)認知症高齢者グループホーム(グループホーム)

(4)サービス付き高齢者向け住宅

(5)特別養護老人ホーム

(6)地域密着型特定施設入居者生活介護(ミニ特養)

(7)介護老人保健施設

(8)介護医療院(介護療養型医療施設)

(9)シニア向け分譲マンション

(10)軽費老人ホーム/ケアハウス

(11)デイサービス

 

老後の過ごし方は様々
老後の過ごし方は様々

 

これらのなかには、公募の仕組みが取られているなどの理由から容易には事業参入できないものであったり、規模や運営の仕組みが複雑であったりします。また、介護保険の改定で経営が難しいものもあり、事業の始めやすさから考えて、現実的な選択肢となり得るのは、(1)有料老人ホーム(2)小規模多機能ホーム(3)グループホーム(4)サービス付き高齢者向け住宅の4つに絞られます。

 

そこで、以下ではこの4つの施設の中身についてみていきましょう(その他の施設の概要については、[図表1]にまとめておきましたのでご参照ください)。

 

[図表1]他の各施設の説明表

 

(1)有料老人ホーム

 

有料老人ホームは、老人福祉法に基づき、老人を入居させ、入浴・排泄もしくは食事の介助、食事の提供、洗濯・掃除等の家事の供与、健康管理のいずれかのサービスを提供する施設です。以下のように、1.住宅型有料老人ホーム2.介護付有料老人ホーム3.健康型有料老人ホームの3種類があります。

 

1.住宅型有料老人ホーム

介護が必要になった場合でも、訪問介護等のサービスを利用しながら、引き続きその施設でサービスを受けることが可能な有料老人ホームです[図表2]。

 

[図表2]有料老人ホームの関連図

 

2.介護付有料老人ホーム

介護等のサービスが付いた有料老人ホームです。介護が必要となっても、ホームが提供する介護サービスである「特定施設入居者生活介護」を利用しながら、ホームでの生活を継続することができます。

 

特定施設入居者生活介護とは、特定施設に入居している要介護者・要支援者を対象として行われる、日常・生活上の世話、機能訓練、療養上の世話のことで、介護保険の対象となります。

 

3.健康型有料老人ホーム

食事等のサービスが付いた有料老人ホームです。介護が必要となった場合、入居者は契約を解除して退去します。

 

有料老人ホームを設立するために必要な条件は、これらの種類に応じて異なっています。例えば、住宅型有料老人ホームでは人員配置に関する基準は特に定められていませんが、介護付有料老人ホームでは一定の職員を配置することが求められています。

次ページ住み慣れた地域での自立「小規模多機能型居宅介護」

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