「老後どこに住むか?」は重要な問題です。有料老人ホーム、グループホーム、サ高住…名前は聞くけど違いがわからない人は多いのではないでしょうか。そこで本記事では、株式会社アートジャパンナガヤ設計代表取締役・長屋榮一氏の書籍『入居者が集まる!職員がイキイキ働く! 介護施設設計』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、それぞれの特徴を解説します。

住み慣れた地域での自立「小規模多機能型居宅介護」

(2)小規模多機能型居宅介護(小規模多機能ホーム)

 

小規模多機能型居宅介護を提供する施設であり、「小規模多機能型施設」「小規模多機能型居宅介護施設」などとも呼ばれています。小規模多機能型居宅介護とは、1.通所介護(デイサービス)を中心に、2.訪問介護(ホームヘルプ)3.短期入所生活介護(ショートステイ)を一体的に組み合わせて提供する地域密着型の介護サービスです[図表3]。1〜3の概略は次のとおりです。

 

1.通所介護(デイサービス)

施設に通って入浴や食事等の介護、リハビリなどを受ける日帰りのサービス。

 

2.訪問介護

(ホームヘルプ)訪問介護員(ホームヘルパー)が居宅を訪問して、入浴や食事等の介護や調理、洗濯、掃除等の家事を行うサービス。

 

3.短期入所生活介護(ショートステイ)

施設に短期間入所(宿泊)して、入浴や食事等の介護、リハビリなどを受けるサービス。

 

[図表3]小規模多機能ホームのイメージ

 

これら3つのサービスはいずれも、地域の人たちとの交流や地域活動への参加を図りながら、利用者が住み慣れた地域での自立した日常生活を営むことができるようにサポートすることを目的としています。小規模多機能ホームは登録制ですが、1.利用者2.人員配置3.設備に関して以下のような要件を満たすことが必要です。

 

1.利用者

■1事業所の登録者は29人以下

■デイサービスの利用者は18人までを上限

■ショートステイの利用者は9人を上限とし、登録している利用者に限定

 

2.人員配置

■介護・看護職員

[日中]デイサービスの利用者3人に1人+ホームヘルプ1人

[夜間]ショートステイとホームヘルプで2人(1人は宿直可)

■介護支援専門員1人

 

3.設備

■デイサービスの利用者1人あたり3㎡以上の面積

■ショートステイは4・5畳程度の広さでプライバシーが確保できるしつらえを要する

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入居者が集まる 職員がイキイキ働く 介護施設設計

入居者が集まる 職員がイキイキ働く 介護施設設計

長屋 榮一

幻冬舎メディアコンサルティング

安心して暮らせる“我が家”のような施設に! 自身も9ヵ所の介護施設を運営する一級建築士が、介護事業を成功に導く施設設計のポイントを徹底解説!

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