美容師になると「自分の店を持つ」ことを目標にする人が多いものの、30歳時点の平均年収が300万円と、資金を貯めることは難しいのが現実です。さらに感性・体力の両面から、40歳ごろになると若い美容師とのジェネレーションギャップを感じ、美容室を辞める人が多いのだといいます。今回は、「定年40歳」の後の選択肢や、女性美容師のピークが35歳だといわれる理由について解説します。

 

どんな仕事に就いても、自分が幸せで満足できるのならいいですが、「こんなはずではなかった」という後悔をしないためには、若いうちからキャリアプランを考えておく必要があります。

美容室は、1年で約7割が閉店してしまう

40代に入ってサロンにいづらくなったからといって、考えもなく独立してしまうと、破綻する人が多く出てしまいます。技術は学んできたものの、経営に関してはまったく学んでいない人が多く、なかなか安定した利益を上げることができないのです。なかには自分の店を手放し、ほかのサロンに働きに出る人もいます。

 

現在、1年間で1万件ほど美容室ができ、その数は全国で25万1140店舗(2018年度・厚生労働省調べ)です。一方で閉店率は1年で7割。新しい美容室ができては閉店していくのが現状なのです。


昔は「美容室は潰れない業界」と言われ、自己資金が300万円あれば、日本政策金融公庫から1300万円程度の開業資金を借りることができました。今は800万円程度に下がり、大きな店を開業したいという人は、それにプラスして銀行から借り入れをします。このように、開業のためのお金を美容師は借りやすいので独立する人が多いのですが、経営を勉強していないとサロンを続けていくのは難しいのです。

女性美容師は「35歳」からが売れ時…その理由とは?

美容師の業界では、男性美容師の売れ時は35歳まで、女性は35歳からと言われています。美容師の40歳定年説についてお話ししましたが、実は女性は男性よりもサロンで長く働きやすいのです。

 

なぜなら、女性はヘアだけでなく、サロンに併設しているスパやエステなどの仕事もしやすく、仕事に幅を持たせることができます。お客様の肌に触れる仕事は、女性美容師のほうが好まれることも多いのです。

 

最近は、ヘッドスパのメニューを取り入れているサロンも増えており、頭皮のケアを重視するお客様も多くなってきました。また、女性は共感力があるというイメージのおかげで男性美容師よりもお客様がつきやすい傾向もあります。

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THE CAREER BOOK OF HAIRSTYLIST ヘアスタイリストのキャリアブック

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田中 房五郎

幻冬舎メディアコンサルティング

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