どこの街に住むかの選択は、仕事やプライベートに大きな影響を与える。さらに家賃が家計支出の大きなウェイトを占めることを考えると、居住地は資産形成までも左右するといえる。総合的に考えて住みやすい街はどこなのだろうか? 20代後半から30代前半の単身会社員の住み心地を考えていこう。今回取り上げるのは、西武鉄道豊島線、都営地下鉄大江戸線の「豊島園」。

8月31日に閉園…さようなら「としまえん」

「豊島園」は東京都練馬区に位置する、西武鉄道豊島線と都営地下鉄大江戸線の駅です。1日の乗降者数は、西武駅が1.4万人ほど、地下鉄駅が1.2万人ほど。駅名の通り、遊園地「としまえん」の最寄駅です。

 

 

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今月末をもって、94年の歴史に幕を閉じる「としまえん」。このニュースを聞いて寂しい気持ちになった人も多いことでしょう。そもそも、「なぜ練馬区にあるのに『としまえん』なのか?」と疑問に思ったことはないでしょうか。それはこの一帯が、かつて豊島郡に属していたことに由来しています。

 

としまえんが開園したのは1926年で、全面開園したのが、翌年の1927年。この年、武蔵野鉄道豊島園線が開通し、「豊島」駅として開業しました。1933年に、現在の駅名に改称されています。開業時にあったのは、ウォーターシュートやボート池、小動物園、音楽堂など。1929年には、大プール、小プールが完成、「としまえん=プール」の歴史はこのときに始まりました。

 

1944年、戦況の悪化で一時閉園しますが、1946年に営業再開。戦後は、次々と遊具を増やして人気を集めました。また1958年、世界初の屋内スキー場、1965年には世界初の流れるプールとローラーコースター、1988年には日本初の大型ウォータースライダー…と、としまえんは“世界初”とか“日本初”の触れ込みが多い遊園地でもありました。

 

そしてとしまえんのシンボルのひとつでもあるメリーゴーラウンド「カルーセルエルドラド」は、1907年にドイツのヒューゴー・ハッセによって作られたもの。バンド・DREAMS COME TRUEのファーストアルバムのジャケット写真がこのメリーゴーラウンドで撮られたことは、ファンの間ではよく知られています。貴重な文化遺産として「機械遺産」にも選ばれている施設で、今後の動向も気になるところです。

 

一時は年間400万人近くの人が訪れていた人気遊園地でしたが、生活様式のなどの変化もあり、近年の来場者数は100万人ほどに減少。それでも閉園のニュースは大々的に報道されました。遊園地の跡地は、防災拠点となる公園や、世界で2番目となる『ハリー・ポッター』のスタジオツアー施設の設置が検討されています。

 

そんな「としまえん」の最寄り駅である「豊島園」ですが、温浴施設「豊島園 庭の湯」や、シネマコンプレックス「ユナイテッド・シネマ としまえん」があったりと、レジャースポットが点在するほかは、閑静な住宅街が広がっています。練馬区の拠点であり、商業集積地でもある「練馬」駅は、当駅から徒歩10分ほどと生活圏内。「豊島園」駅周辺は、意外と利便性も兼ね備えたエリアです。

 

機械遺産のメリーゴーランドは…
機械遺産のメリーゴーランドは…

 

 

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