2020年4-6月期決算の注目ポイント

本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供する「市川レポート」を転載したものです。

 

●4-6月期決算に市場の関心が集まるが、一足先に決算を終えた小売や外食は総じて厳しい内容。

●米決算にも要注目、ハイテク銘柄が米国株式市場を牽引する流れが続けば、日本株にも好材料。

●コロナとの共存を前提に決算ではどのような方法で事業を伸ばしていくかの見極めが重要なポイント。

4-6月期決算に市場の関心が集まるが、一足先に決算を終えた小売や外食は総じて厳しい内容

日本では、3月期決算企業による4-6月期の決算発表が、今月下旬から本格化します。東証1部上場企業のうち、2020年度(2020年4月〜2021年3月)の業績予想を公表した企業は、5月16日時点で4割程度にとどまり、減収減益の予想も目立っていました。そのため、今回の4-6月期決算では、業績の先行きに関する手掛かりがどの程度示されるか、市場の注目が集まっています。

 

なお、小売や外食は、一足先に3-5月期の決算を終えましたが、総じて厳しい内容となりました。新型コロナウイルスの感染を懸念し、外出を減らす消費者が増えたことなどから、ファーストリテイリング、イオン、J・フロントリテイリングなどは、3-5月期に最終赤字となりました。一方、小売ではニトリの安定した業績が目立ち、ドラッグストアではウエルシアホールディングスなどが衛生用品の需要急増の追い風を受けました。

米決算にも要注目、ハイテク銘柄が米国株式市場を牽引する流れが続けば、日本株にも好材料

なお、米国では、すでに4-6月期の決算発表が始まっていますが、米企業の業績動向を把握しておくことは、日本企業の業績を見通すうえでは非常に大切です。昨日までで、米金融大手6社の決算が出そろいました。全体として、貸倒引当金(融資の焦げ付きに備えた費用の計上)の大幅な積み増しが利益の減少要因となる一方、市場の急変で取引が活発化し、投資銀行業務は堅調となるなど、やはりコロナの影響がうかがえます。

 

来週に決算発表を予定している主な米企業は、テキサス・インスツルメンツ(21日、現地時間、以下同じ)、テスラとマイクロソフト(22日)、ツイッターとインテル(23日)などです(図表)。また、翌週の29日にはフェイスブック、30日にはアップル、アマゾン、グーグルの持株会社アルファベットの決算が予定されています。決算を経て、ハイテク銘柄が米国株式市場を牽引する流れが継続すれば、日本株にも好材料です。

コロナとの共存を前提に決算ではどのような方法で事業を伸ばしていくかの見極めが重要なポイント

日本について、来週21日に日本電産とディスコが決算発表を予定しています。翌週の28日にはファナックや東京エレクトロン、29日はSCREENホールディングス、30日はパナソニック、TDK、アドバンテスト、31日は村田製作所、ローム、キーエンスの決算発表が控えています。この週で、半導体製造装置、電気、電子部品、機械などの大手の業績が確認されることになります。

 

今回の4-6月期決算で、2020年度の業績予想を公表する企業が、どの程度増えるかは不明ですが、基本的には経営陣のコメントなどから、先行きの業績に関する見方を探ることになると思われます。特に、新型コロナウイルスと共存していくことを前提とした場合、具対的にどのような方法で、これからの事業を伸ばしていくのか(事業の選択と集中、統合や整理など)を見極めることが重要なポイントとなります。

 

(注)米国企業の日程は現地時間。決算発表スケジュールは変更になることがあります。 (出所)各種資料を基に三井住友DSアセットマネジメント作成
[図表]日米主要企業の決算発表スケジュール (注)米国企業の日程は現地時間。決算発表スケジュールは変更になることがあります。
(出所)各種資料を基に三井住友DSアセットマネジメント作成

 

 

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2020年4-6月期決算の注目ポイント』を参照)。

 

(2020年7月17日)

 

市川 雅浩

三井住友DSアセットマネジメント シニアストラテジスト

 

三井住友DSアセットマネジメント株式会社 シニアストラテジスト

旧東京銀行(現、三菱UFJ銀行)で為替トレーディング業務、市場調査業務に従事した後、米系銀行で個人投資家向けに株式・債券・為替などの市場動向とグローバル経済の調査・情報発信を担当。
現在は、日米欧や新興国などの経済および金融市場の分析に携わり情報発信を行う。
著書に「為替相場の分析手法」(東洋経済新報社、2012/09)など。
CFA協会認定証券アナリスト、国際公認投資アナリスト、日本証券アナリスト協会検定会員。

著者紹介


調査部は、総勢25名のプロフェッショナルを擁し、経済や金融市場について運用会社ならではの高度な分析を行い、それぞれの見通しを策定、社内外に情報発信しています。三井住友DSアセットマネジメントの経済・金融市場分析面での中枢を担っている他、幅広い投資家に良質な情報を伝えるべく、活動する機会や媒体は多岐にわたります。年間で約1,000本の市場レポートを作成し、会社のホームページで公開中(2018年度実績)。

著者紹介

連載【市川雅浩・シニア ストラテジスト】マーケットレポート/三井住友DSアセットマネジメント

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