投資のプロフェッショナルである機関投資家からも評判のピクテ投信投資顧問株式会社、マーケットレポート・ヘッドライン。日々のマーケット情報を専門家が分析・解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報・ヘッドラインを転載したものです。

【2/10開催・WEBセミナー】現役ヘッジファンドマネジャーが特別登壇!
10年超
ニューヨークを拠点に戦う独立系運用会社CEOが語る
ヘッジファンド投資」の魅力と活用法

 

YCCを採用する日銀は、現状維持としています。日銀の黒田総裁もイールドカーブ全体の低位安定が必要と、その意義を強調しています。日本の債務残高などの事情からYCC維持が当面の政策と見込まれます。ただし、その運営には難しさも見られます。たとえば、日銀は長期と短期の利回り格差をある程度拡大させたい模様です(図表参照)。「オペ紙」で年限別の購入規模を見ると、25年超セクターの購入見込みを一定にする一方で、10年以下のセクターの購入見込みを微妙に引き上げています。国債増発を控え金利水準を抑える必要がある一方で、金融機関の収益確保からイールドカーブの形状にも配慮する苦しい運営と見られます。

 

YCCは市場の価格発見機能と相性がよくありません。コロナ前、米国と日本の10年国債利回りは似たような動きをしていました(図表参照)。コロナを受け、米国国債利回りは急低下しましたが、YCC下の日本国債利回りの変動は限定的でした。日本が利下げをしていないことや、YCCが機能していると言ってしまえばそれまでですが、不自然な印象も残ります。YCCの維持には、効果とコストの検証がいっそう求められるように思われます。

 

日次、期間:2019年7月15日~2020年7月15日 出所:ブルームバーグのデータを使用してピクテ投信投資顧問作成
[図表]日本国債(2、10、30年)と米国国債利回りの推移 日次、期間:2019年7月15日~2020年7月15日
出所:ブルームバーグのデータを使用してピクテ投信投資顧問作成

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『金融政策据置きの中に見る今後の課題』を参照)。

 

(2020年7月16日)

 

梅澤 利文

ピクテ投信投資顧問株式会社

運用・商品本部投資戦略部 ストラテジスト

カメハメハ倶楽部セミナー・イベント

 

【1/7開催】<令和7年度>
税制改正大綱を徹底解説
最新情報から見る資産運用への影響と対策

 

【1/8開催】オルカン、S&P500…
「新NISA」の最適な投資対象とは
金融資産1億円以上の方だからできる活用法

 

【1/9開催】2025年の幕開け、どうなる?日本株
長いデフレ環境を生き抜いたスパークスが考える
魅力的な企業への「長期集中投資」

 

【1/9開催】相続人の頭を悩ませ続ける
「共有名義不動産」の出口は“売却”だけじゃない!
問題点と最新の解決策を藤宮浩氏が特別解説

 

【1/12開催】相続税の
「税務調査」の実態と対処方法
―税務調査を録音することはできるか?
【見逃し配信special】

 

 

【ご注意】
●当レポートはピクテ投信投資顧問株式会社が作成したものであり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。当レポートに基づいて取られた投資行動の結果については、ピクテ投信投資顧問株式会社、幻冬舎グループは責任を負いません。
●当レポートに記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当レポートは信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当レポート中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。
●当レポートに掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧