「死後のことなど考えたくない」という人は多いもの。しかし、何も対策をしなかった結果、相続財産をめぐり家族がバラバラになってしまう事例が相次いでいます。そこで本記事では、一般社団法人社長の終活研究会・代表理事の眞鍋淳也氏が死後に起きたトラブルの事例を紹介し、相続対策の重要性を解説します。

「兄弟は平等」の意識がもたらす新たな問題

「死後のことなど、わざわざ決めなくても、子どもがやってくれるのでは?」と思う人もいるのではないでしょうか。もちろん、子どもがいれば、多少親子関係が疎遠であったとしても、葬儀くらいはしてもらえるでしょう。しかし、親の葬儀を発端として兄弟間の意見が食い違い、遺産分割に影響して、裁判沙汰に発展するというケースが非常に増えてきているのです。

 

一昔前まで、親の葬儀といえば、長子、特に長男が、喪主として自分の判断で全てを取り仕切り、他の兄弟たちは口をはさまず、そのやり方を容認するというのが一般的でした。

 

そのベースにあるのは、日本独特の家族観でした。戦後、民法上の家制度はなくなったとはいえ、長子・長男が跡取りとして家督を相続する代わりに、親の面倒を見るのが当たり前、という考え方が長く残っていたのです。

 

しかし、戦後70年を超えた今、日本人の意識もライフスタイルも急速に変化してきています。長男が家を代表して家督を相続するという意識はもちろんのこと、長子や長男の意見を尊重して、それに従うという風潮もどんどん薄れていき、兄弟はみな平等という意識に変わってきました。

 

もちろんこれにはいい面もありますが、新たな問題が浮上してくるようになった一面があることも否定できません。では、どのような問題があるのかを見ていきましょう。

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