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気になる点としては、輸出の改善を下支えする項目を見ると、マスクなど医療関連がけん引するのは、5月と同様です。ただ、2月頃から中国からのマスク等の供給が途絶え、マスク需要が高まりましたが、日本でもマスク不足は解消されつつあり、「特需」への期待は低下すると思われます。
欧米の経済再開が輸出を想定以上に引き上げたことも考えられますが、感染拡大により再び経済活動も一部制限されており、回復ペースは抑制される可能性もあります。
また、米中貿易問題も貿易に影を落としそうです。中国税関の記者会見で、年後半は米国からの輸入を増やす必要があることを示唆しています。中国の国内需要回復による輸入増加でなく、政治的力学による輸入の増加が想定されます。幸い(?)5月に比べ小幅ながら人民元高が進行しており、輸入にはよくも、輸出にとってはマイナス材料です。
先週発表された中国の資金調達総額は3.4兆元と市場予想を上回る規模で、資金が供給されています。外需よりは、まず内需で、成長の足元を固めることが中国当局の方針と見られ、当面は安定的な成長が重視されると思われます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『プラスに転じた中国の輸出と輸入』を参照)。
(2020年7月14日)
梅澤 利文
ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部投資戦略部 ストラテジスト
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