「4500個の麻雀牌」祖母から築8年タワマンを譲り受けたが…

築8年タワマン×4500個の麻雀牌という最強の布陣

【リノベーション内容】

「結婚式」と「マイホーム」ほど、夫婦でもめる機会はないかもしれません。二人の意見が対立したり、はたまた援助してくれる方の言葉によって大きく方向性が揺らいだりといったことはよくあります。しかし、Ｈ邸のご夫婦はとにかく「やりたいこと」が明確でした。二人とも好きなものが同じで部屋に求める価値観も一致していたため、非常にスムーズだったのです。【リノベ後の写真を見る】からもわかるように、そんな二人がテーマに掲げたのは「香港ロック」でした。

【Case15】壁紙もキッチンカウンターも唯一無二！　好きなものに囲まれた落ち着く空間が完成

奥さまのお祖母さまから譲り受けた築8年のタワーマンションに住んでいたH邸のご夫婦。最初は自分たちで和室をカーペットに変えたり、壁紙を貼り直したり、キッチンをモルタルで塗ったり……と、DIYを楽しみながら暮らしていたそうです。

しかし、一つ悩みがありました。それはリビングとキッチンを隔てる壁。これだけは素人ではできないと、私たちの元を訪ねてくださったのです。

せっかくならフルリノベをしましょうと提案をし、テーマに掲げたのはずばり「香港ロック」。ウォン・カーウァイ監督の「花様年華」「恋する惑星」をイメージして、真っ赤な壁紙や中華風デザインの窓枠など、アクの強い空間に仕上げました。

ポイントは何と言っても、4500個もの麻雀牌を貼り合わせたキッチンカウンター。ここまで「好きなもの」に振り切ったデザインにすれば、家に帰ってくるのが楽しみになるに違いありません。

また、H邸のご夫婦は意向を伝える際に「好きなものより嫌い（苦手）なものを伝える」ことを心がけたそうです。確かに、嫌いなものが分かれば価値観はより共有しやすくなります。ぜひ参考にしてみてください。

※本記事は、株式会社シンプルハウス代表取締役・山本武司氏の書籍『中古住宅×リノベーション　ローコストで叶える「世界にひとつだけの家」』（幻冬舎MC）から一部を抜粋したものです。

【リノベ後の写真を見る】

山本 武司

株式会社シンプルハウス　代表取締役